レポート

業態開発の時代が終わり、飲食店は2極化する。ロイヤルHDの実験店の場合~『FOODIT TOKYO 2018』レポート(前編)

2018年10月16日

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外食産業のリーダーたちが一同に集結し、飲食店の未来を考えるカンファレンス『FOODIT TOKYO 2018』。第4回目が9月13日に開催され、働き手の不足や市場の縮小など、外食業界の現状の課題と解決の糸口について話し合われた。登壇者は22名・15セッション。各セッションに込められたテーマは、飲食業界に漂う閉塞感への対策だ。

FOODIT TOKYO実行委員長中村氏(株式会社トレタ代表取締役)は、冒頭の挨拶で「これまでの50年、日本の外食産業は主に業態開発によって発展を続けてきました。しかし、現在は業態の差別化・ニッチ化がどんどん進み、行きつくとこまで来てしまった。そして、このままでよいのかという雰囲気が業界に漂っています」と指摘した。

この解決策に挙げられたキーワードは、“モノ消費からコト消費”“顧客の時代”“コミュニティ化”などだ。それぞれ出現する場面は異なるが、全体的に共通する考えがあり、掘り下げていくことが今回の裏テーマとなった。そこで示されたのが、“価値観の転換”だ。これはどういうことなのか。まずはイベントの基調講演として、ロイヤルホールディングス株式会社代表取締役会長(兼)CEO・菊地唯夫氏と、株式会社ワンダーテーブル代表取締役社長・秋元巳智雄氏が紐解いていった取り組みを紹介する。

飲食業界の閉塞感の原因は、技術革新がなかったこと

本セッションの冒頭では、秋元氏から今の外食産業が直面している問題として、働き手の減少、人件費などのコスト増加、生産性(コストに対するリターンの割合)の低迷、国内市場の縮小などが挙げられ、今後は一層ビジネスがしにくくなってくのではと懸念が示された。

<日本の人口推移(単位:万人)>

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出典:総務省「平成26年版情報通信白書」

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株式会社ワンダーテーブル
代表取締役社長 秋元 巳智雄 氏

秋元「1970~85年にPOS革命が起きて、大手ファーストフード、ファミリーレストランなどが登場し、飲食店の商売が産業に発展しました。しかし、その後の30年間、飲食業界では大きなイノベーション(技術革新)は起きていません」

70年代のPOS普及とともに、外食産業の市場規模は年々拡大し、1997年に29兆円となった。以降、下降傾向となり、現在は25兆円前後で推移している。

菊地「これまでの産業化モデルを考えると、人口が増加してきた時代に、画一性、効率性、スピードというキーワードを兼ね備えたチェーン理論で浸透していったといえます。しかし、今の外食産業が直面している人口減少・働き手減少の社会では、これまでの産業化モデルを維持したままで健全なのかという問題意識を持っています」

外食産業は製造業などと比べて生産性が低いままだ。その原因は、研究開発に熱心ではなかったためと言われている。しかし菊地氏は、「研究開発する対象が違っていた」と指摘した。

菊地「飲食業界全体で業態開発やメニュー開発は熱心に行われてきました。しかし、業態開発が成功すると模倣店が現れます。そして価格競争が起き、お店が消えていきます。業態開発はとても大切ですが、これではイノベーション(技術革新)の蓄積になりません」

進展のないままの現在の飲食業界では、改めて持続可能な産業モデルを考えることが必要だ。これを喫緊に進める理由に、労働者不足が挙げられる。


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