経営者インタビュー

作っても売れなかった野菜が主役。逆転の発想が付加価値を生む~ALL FARM・古森啓介社長

2018年08月24日

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古森啓介(ふるもりけいすけ)…1987年6月大阪府生まれ。無農薬・無化学肥料・固定種・露地栽培にこだわった自社農場を運営。さらに農場で取れた野菜だけを使った飲食店「WE ARE THE FARM」を開業し、2018年現在、2業態で6店舗まで拡大している。

オーガニック野菜を主役にしたレストラン「WE ARE THE FARM」など6店舗を展開する株式会社ALL FARM。総面積は東京ドームを超える広大な自社農場「在来農場」で年間150種類あまりの野菜を、無農薬・無化学肥料栽培で育てている。その野菜は、採算があわないために農家から見放された『固定種』と呼ばれる品種ばかりだ。店舗で使用する野菜はすべてこの自社栽培の野菜だという。

効率化の真逆を歩みながら事業を拡大させることが、なぜ可能なのか?なぜそんな手間がかかることに取り組んでいるのか?頑なに見えるそのこだわりを、代表取締役の古森啓介氏は「農業の可能性をさぐる突破口」だと語る。

飲食店経営をめざす中で知った、「固定種」の野菜

【Q】固定種や無農薬栽培へのこだわりは、いつからお持ちでしたか?

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株式会社ALL FARM
代表取締役 古森啓介氏

10年くらい前、19、20歳の頃のことです。野菜の生産と直結した飲食店での起業をめざして、修行の日々を送っていました。いろんな農家をまわり、時には住み込みで働いたり、和食店で調理や運営を学んだりする中で、野菜に『固定種』があると知りました。実は昭和半ばまでは多くの農家で作られていた、いわゆる『普通の野菜』ですが、現在では0.01%を切るほどまで生産が減っているというのです。

現在、流通している野菜の多くは『F1種』という、効率よく大量生産、安定供給ができるよう規格に沿って改良された一代限りの品種です。一概にはいえませんが、改良ポイントは味が美味しいかどうかよりも、同じスピードで成長し、同じくらいの大きさと味に育ち、規定のダンボール箱にぴったり収まって出荷できるように育つかが優先されます。

農薬や化学肥料が当たり前のように使われているのも、やはり効率を優先させているからです。農薬で人件費は削減できるし、化学肥料を使えばはやく収穫できます。でもそれは、体にも良くないし、野菜本来の味とは変わってきてしまうんです。

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無農薬、無化学肥料、固定種のみに
こだわった野菜達

『固定種』とは、育った野菜の中から出来の良いものの種を選び、翌年その育てた中からまた良いものの種を採ることを何世代も繰り返してきた品種です。

そのため野菜の持つ本来の味や個性が強く出るうえ、味そのものが濃くて本当に美味しい。一方で、どんなプロが作っても株ごとに成長速度もサイズもばらばら、形や味も違ってしまうため、安定供給には向きません。


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