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世界で注目を集める「昆虫食」は、日本の食シーンに革新をもたらすか

2018年08月06日

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近年、世界中で「昆虫食」に高い関心が寄せられている。国際連合食糧農業機関(FAO)が2013年、食糧問題の解決策のひとつとして、昆虫を食用としたり、家畜の飼料にしたりすることを推奨する報告書を公表したことがきっかけだ。世界中の食の識者の投票によって決まるレストランランキング「世界のベストレストラン50」で2010年から4年連続で第1位に選出されたデンマークのレストランnoma(ノーマ)が、食材としてアリを用いていることも話題になった。

日本では、ゲテモノ食いの一種や地方の伝統食と見られがちだった昆虫食は新たな食の可能性をどれほど秘めているのだろうか。

FAO…世界の農林水産業の発展と農村開発に取り組む国連の専門機関

来るべき食糧危機にそなえる、昆虫食は時代の先取り

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世界の主な食用昆虫(FAOのデータを基にフーズチャネルが作成)

現在、世界では全人口75億人の1/4以上、約20億人が1900種以上の昆虫類を食べているという。最も食用にされているのがコガネムシなどの甲虫類(31%)で、毛虫・イモムシといった幼虫(18%)、ハチやアリの仲間(14%)、イナゴ、コオロギなどのバッタ類(13%)、セミやカメムシ類(10%)と続く。また、昆虫ではないクモやサソリなどもまとめて昆虫食と呼ばれている。

FAOの報告書によると、昆虫が有望な食材になり得ると着目したのは、環境面や健康面で多くの利点が考えられるからだという。世界的な人口増加や都市化にともない、動物性たんぱく源の需要が増えている。2030年には世界の人口は90億人になるとみられているが、人口を支えるためには何億頭もの家畜の飼育が必要となり、広大な敷地と大量の飼料が必要となりそこから森林破壊や環境汚染につながるおそれもある。


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