飲食業界なう

飲食店の利益率を上げる「1%」へのこだわり。多店舗展開に必要な棚卸し術

2018年07月06日

「在庫のカウントは統一ルールを作って正確に、かつ、できる限り細かく行うべきです。数え方は人それぞれですし、多業態展開で複数の店舗を持っている場合は共通のやり方ができない場合もあるでしょう。何をどこまで数えるのか、こだわりを持ってやらないと、数字がぶれてしまい意味をなさなくなってしまいます。ただ、やりすぎも辛いだけです。経営判断をするためであれば、0.0何%まで出す必要はありません」

規模の小さな店舗ほど原価率がぶれやすいので、より正確に細かく行う必要があるともいえる。たとえば原価に1万円のずれがあった場合、月の仕入れが100万円の店舗での比率は1%、1000万円の店舗では0.1%と、その影響は大きく変わってくる。

特に生鮮品などは相場変動が激しく単価が変わりやすい。同じ商品で月初と月末の価格が違う場合もよくある。棚卸しにはいくつか方法があるが、一般的には、在庫商品の価格は最後に仕入れた際の価格をもとにする「最終仕入原価法」で計算する。

「棚卸し表をエクセルなどで作成しており、単価の更新ができていないケースも見受けられますが、これでは正確性に疑問符がつきます。また、フェアなどで一時的に仕入れた原材料など、棚卸し表にない商品をどう扱うかという問題もあります」

棚卸しをなぜ行うのか、現場のスタッフや店長が理解していなければ、ただ言われるから数えているだけという状況になりがちだ。必要性を理解していないと、棚卸し表にないものはカウントしないといったことが起きて網羅性が担保できなくなり、正しい計算ができなくなってしまう。

「正確な棚卸しを行うために大事なことは、『なぜ棚卸しをするのか』を現場も含めた全員がしっかり理解し、必要なことなのだという意識を共有することです。仕入れ単価や棚卸し表の更新といった煩雑になりがちな作業は、食材の発注システムなどITを利用して効率化するのもひとつの方法です。仕入れがデータで管理されるので、最終仕入れ値で自動的に計算できます。現場の作業負担も軽減できますし、より正確な原価管理が可能です」

1%へのこだわりで、どんぶり勘定からの脱却を

従業員にモチベーションをもたせるために、利益率の変動を給料など評価と連動させる店舗の例もある。

「1%の変化を誤差ととらえるか、こだわるかの違いは大きい。飲食店の場合、本部費などをふくめた企業全体で黒字企業の利益率は4%弱くらいが平均値です。これを5%、6%にするには、原価率の改善が重要です。原価率を1%下げる、下がったら何故下げることができたか考える、この『1%へのこだわり』は非常に大事です」

そのためには、経営側も従業員に数字を報告させるだけで終わらず、情報を開示し共有することも必要になるだろう。店舗がどれだけ利益を出しているか、あるいはどれだけ原価率が高すぎるかといった情報をオープンにすることで、スタッフも数字を意識した行動をとれるようになり、多店舗運営への展開も見えてくるのではないだろうか。

取材協力:株式会社ビーワンフード


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