経営者インタビュー

居酒屋甲子園理事長が見据える、2018年の飲食業界~nadeshico・細川雄也代表取締役

2018年01月04日

もっと労働環境を改善して、現場の子たちが働きがいを持てる業界にならないとなりません。アルバイトを体験したらそのまま就職したいと思えるような業界にならないとダメだと思います。

【Q】そのためには2018年、どのような取り組みが必要でしょうか

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いまとても重要なのは、生産性向上と付加価値向上です。生産性って、分母が従業員数や労働時間、分子が売上やと思うんです。つまり一人あたりの売上が高ければ、生産性が高いといえる。大手チェーンだと大規模なオペレーション改革などで徹底的に人手を減らして生産性をあげることができるのですが、そうでなくとも生産性向上はまだいくらでもできると思っています。

細かいところでは、レジ打ちや日報記入や発注など手作業で行っている業務があれば、そこをシステム化するだけでもかなり労働時間は削減されます。効率性をどうやって求めていくか、現場の生産性をどれだけあげるかが、これからもっと求められてくると思います。

店舗の店長も今は、仕込みから発注、日報の締め処理や人材教育まで行わなければならず、業務が多岐にわたります。すごい職業だと思いますが、本来の役割は指導・育成とお客様への対応です。やはりそこに集中していくようにしていかないと。

他の業種も同じです。サービスマンはよりサービスマンに、料理人はより料理人に、専門性を高め生産性をあげていくべきでしょう。だから、しなくていいことはもっと積極的にシステム化して、効率化すればいいと思います。朝、掃除からはじまる店なら、お掃除ロボがやってくれればそれでいいわけです。

空いた時間で、それぞれ専門で集中できる時間が増えれば、もっと商品知識の勉強もできるし、おいしさも伝えていける。そうやってやりたいことを極めていける業界になればもっと面白くなっていくし、いずれ人手不足も解消されていくと思います。

【Q】今後の居酒屋業界はどのようになっていくと思いますか。

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それは正直わかりません(笑)。でも居酒屋は今後、大手チェーンのように人の数を減らして、機械化オペレーション化で生産性をあげていくやり方と、個人店の様に居心地のいい空間づくりや人とのコミュニケーションのような付加価値を提供する店に二極化が進むんじゃないかと思います。むしろその間にあるような中途半端な店は淘汰されてしまうかもしれません。

大手飲食店では、すでにタッチパネルなどで、注文を効率化していますが、将来的には給仕自体が人ではなくなるかもしれません。でも、どんな美人ロボットが出てきても、結局居酒屋って、人と人とのコミュニケーションなくして語れませんよね。そこはどれだけ機械化が進んでも残っていくだろうし、むしろ効率化が進めば進むほど大切にされていくと思います。

お酒を飲む楽しみってやはりみんなでわいわいがやがや、お酒を通じて心もかよわせることにあると思うんです。お酒を片手に仕事の話、恋愛や家族の話をしたり、そこに気前のいい店員さんがいて面白い事を言ったり、ちょっと気になる女性店員さんがいたりして、最後は笑顔で見送ってくれて気持ちよかった楽しかったねっていうのが居酒屋の醍醐味。これぞ居酒屋やないですか。

SNSなどのコミュニケーションツールが発達する一方で、現実世界での人間関係はどんどん希薄になって来ています。僕はそんな時代だからこそ、居酒屋を人と人がつながるツールとして、日本の文化として、守っていかなければと切に願っています。


株式会社nadeshico

住所:滋賀県長浜市八幡東185-1
事業内容:飲食店の経営「旬菜酒場菜でしこ」「魚丸」「ターブル・オー・トロワ」等
お話:代表取締役 細川雄也
公式HP:http://nadeshico1000.jp/

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