企業インタビュー
2017年04月04日
北海道産の牡蠣や銘柄肉のほか、フォアグラなどの贅沢な食材をリーズナブルな価格で楽しめる『炭焼きイタリアン酒場 炭リッチ(以下、炭リッチ)』が人気だ。2013年2月に札幌に本店を構えて以来、4年間で15店舗(2017年3月末現在)出店というスピーディーな展開にも注目が集まっている。
2016年からは関東圏でのFC(フランチャイズチェーン)化も進めており、募集から1年で4店舗がFC店として加盟している。圧倒的なコストパフォーマンスを誇る同社のメニューづくりと、成長の秘密について、株式会社カムリッチフーズの平野健太社長にお話を伺った。
炭リッチの不動の人気メニュー、名物「炭焼きフォアグラステーキ串」。味もさることながら、大きなフォアグラを炙り焼きにするという豪快さが嬉しい。
しかもこれを北海道の店舗では、1串390円で提供しているというから驚きだ(※東京店では輸送費の関係で500円)。この価格設定はどこから来ているのだろうか。
代表取締役社長 平野健太氏
「27歳で独立したタイミングで、店に欲しかったのは、それを目当てに人が訪れてくれるような、看板メニューでした。どうせ看板メニューをつくるなら、自分が食べたことがない高級食材がいいとリストアップして、あれこれ試行錯誤していました。
『炭焼きフォアグラステーキ串』を作った時に思ったのは、『おいしいけど、串焼き1本として考えたら390円くらいが妥当かな』と。それは素材の問題ではなく、純粋に自分が払える酒のお供としての感覚でした。串1本1,000円だとしたら、どんなに美味しくても高すぎるじゃないですか」
原価を完全に無視してしまったため、当時の原価率は、100%を超えていたという。それでも価格を上げようとしなかったのは、平野氏の根底に気軽に贅沢感のあるメニューを楽しんで欲しい、という思いがあったからだ。
他にも炭火焼き牡蠣やステーキなど、北海道産の産直食材がメニューに並ぶが、どれも手頃な価格で楽しめる。
炭リッチはオープン当初、夫婦で経営する個人店にしようと考えていたという。しかし1号店出店から、わずか4ヶ月後に2号店、さらに3ヶ月後には3号店、翌年に東京の浜松町で4号店をオープンさせている。その方向転換の裏に何があったのだろうか。
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