企業インタビュー
2017年03月01日
合掌智宏(がっしょうともひろ)…1977年福井県生まれ。25歳で地元福井県の飲食店に入社。翌年、同社の東京進出を機に東京へ。店長として3店舗の立ち上げに関わる。27歳でホルモン酒場を出店し独立。28歳で株式会社funfunctionを設立。現在は6業態19店舗を運営する。
『北海道八雲町』『佐賀県三瀬村 ふもと赤鶏』『北海道厚岸』など、町や村の名前を店名に冠した店で、他業態との差別化に成功している、株式会社funfunction(ファンファンクション)。店のコンセプトは“アンテナショップ飲食店”だ。町の公認と全面的な協力体制のもと、食材の供給だけでなく、地域PRや町の活性化にも貢献している。ユニークな業態を生み出したfunfunctionの合掌智宏社長に、そのメリットと業態開発について聞いた。
【Q】ご当地酒場の出店前は、どのようなお店をされていたのでしょうか
25歳で地元・福井県の飲食店で働き始め、その店が東京進出をする際に、店長として東京へ引っ越してきました。2005年、27歳のとき東京・八重洲にホルモン酒場「合掌東京総本店」という、やきとん屋をオープンました。
初月からなんとか黒字化はしましたが、売上はパッとせず、業態としても特徴があるような店ではありません。そこに壁を感じ、なんとか他店との差別化はできないかと悩んでいました。
【Q】その後、ご当地酒場を出されるわけですが、そのきっかけは?
たまたま、幼馴染が北海道の八雲町に転勤をして、その町の海産物を送ってくれたことがきっかけです。僕は、その時に初めて八雲町という名前を知りましたが、その名も知らぬ町の海産物が驚くほど美味しかったのです。
自分でも欲しくなって、八雲町産の海産物を求めて築地へ行きましたが、見当たりません。その時、あんなにおいしいものが、流通していないのはもったいない、仕入れて自分の店で売ってみたいと思うようになりました。
しかし、飲食店を経営する上で、食材の素晴らしさや、産地の珍しさだけでは、差別化にはなりません。他店も常にいい食材を探していますし、注目が集まれば競合店での仕入れも増えてしまうからです。
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