愛されるお店の作り方

2.2坪の立ち食い焼肉。入りづらいからこそ生まれた東京・神田の超人気店~六花界(モリタ空間デザイン事務所)

2016年01月25日

東京・神田駅のガード下、東口改札から徒歩30秒の場所にその店はある。立ち食いの焼肉店でお酒は日本酒がメイン、物件の広さは厨房も含めて2.2坪。外食の常識からすると全てが異端の存在ながらも、爆発的な人気を誇る店「六花界」である。

2009年にお店をオープン。初日からこれまで右肩上がりの成長を続け、現在の毎月の売り上げは坪単価にして100万円以上にまでなった。あらゆる“弱点”を“売り”に変えたのは、オーナーでありシェフの森田隼人氏だ。飲食未経験だった森田氏が、どのようにして繁盛店を生み出したのか。現在の成功までの軌跡について聞いた。

肉に合う日本酒を見つけるために、訪れた300の酒蔵

建築士やプロボクサーなど様々な経歴を持つ森田氏。飲食業を始めるきっかけは、ボクサー時代にお世話になっていたジムの会長への恩返しだという。ジムの後輩に旨い肉を思い切り食べて欲しい、という理由から業態は焼肉に決めた。

しかし、飲食に関してはまったくの素人。そんな森田氏がまず始めたのは、物件選びだった。

神田駅から徒歩わずか30秒の好立地

「店舗の立地選びは、オープン前に出来るたったひとつのサービスだと思います。駅近で雨でも濡れないというのは、最高のサービスですからね。あとは、従業員を雇わなくていい立ち飲みスタイルにしようと決めて、今の物件を選びました」

家賃は2.2坪で月21万円、坪10万円という計算だ。「今だったら絶対に借りないほど高い」と森田氏は言うが、それでもこの立地に大きな意味を見出していた。

「神田駅は1日の乗降客数が約15万人。駅から少し離れれば、同じ価格帯で10倍の広さの物件が借りられるのもわかっていました。でもそれでは意味が無い。駅から徒歩30秒の立地で、その15万人全員をターゲットにしようと思ったわけです」

日本各地の酒蔵から、肉に合う酒を厳選

とはいえ、2.2坪の店というのは極端に狭く、出来ることは限られていた。焼肉に合うビールのサーバー、ハイボールやホッピーに必要な製氷機も置けなかった。それどころかホッピーの瓶を置くスペースすらなかったのだ。そこで目をつけたのが、蓋を開けて注ぐだけでいい日本酒だった。

「肉に合う酒を見つけるために、とにかく酒蔵を訪ね歩きました。店をオープンしてからも続け、300蔵は回りましたね。必ずしも単体で飲んだ時に美味しい日本酒が肉に合うわけではないので、苦労しました。試しながら肉に合うものだけを選んでいるので、うちで出す日本酒は他のお店とはラインナップが違うと思いますよ」

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