経営者インタビュー

スープストックトーキョー・松尾真継社長~分社化で新社長に就任。“お酒”や“和”を取り入れた新業態で、次のステージを切り開く

2016年01月19日

【Q】その後、スマイルズは三菱商事から独立したわけですね。

そうです。2008年2月にMBOで三菱商事の社内ベンチャーから独立しました。そのタイミングで、スマイルズの創業者である遠山正道から「スープストックトーキョー」を実質的に経営していた私に副社長をやって欲しいと言われたのです。以来、副社長としてスマイルズ全体の経営統括にも携わってきました。

【Q】遠山さんとの出会いは、どのような変化をもたらしましたか?

商社やユニクロにいた20代の頃は、「結果が全て」「どうやって目標の数字を作るか」という気持ちが強かったと思います。もしくは、どうすれば近道できるかとか。

どの街に出店するのか、ブランドの人格と相談して決める

でも、遠山と出会ってから「ブランドには人格があり、お客様との間で培ってきたスープストックトーキョーさんという“人”が厳然として存在する」ということを意識するようになりました。

ブランドづくりとは、その人格を尊重し、育てていくこと。ひとつの人格と正直に向き合って無理のない成長をさせないと、その人格を好きだったお客様は離れていってしまいます。この場所に出店した方が儲かるとか、こういう商品を作れば売れるとか、こういうことをやるとメディアが取り上げてくれるとか、そういうことから始めるのではないのだと。

【Q】人格といえば、ペルソナマーケティングで「秋野つゆ」という詳細な人物像を設定しています。

秋野つゆさんは、「スープストックトーキョー」設立の企画段階だった1998年頃から存在しました。彼女はお客様代表ではなくブランドそのものの人格で、まさに“スープストックトーキョーさん”なんです。薄化粧で、知的でセンスがよく、派手ではなく、でも芯が強そう。それが「スープストックトーキョー」のキャラクターです。

でも、ここ数年の事業展開では秋野つゆさんの人物像も当時より広がってきています。結婚しているのか、子供はいるのか、住んでいる場所は変わったのか、仕事は続けているのかなど、いろいろなパターンがあります。

そこをしっかりと考えることで、「スープストックトーキョー」ファンだったお客様のライフステージの変化に対応していけると考えています。

企業理念「世の中の体温をあげる」ことを常に考える

【Q】具体的に、これまでどのようなテーマがあったのでしょうか?

忙しくても時間を気にせず食べられる冷凍スープ
「家で食べるスープストックトーキョー」も人気だ

例えば、少し前に私が商品開発部門に出したお題は、「食べた日の夜に、最近会っていない田舎の親に感謝の電話をしたくなるようなスープ」というものでした。

「美味しいもの」とか「売れるもの」では、どこにでもあるものになってしまいます。すごく遠回りで面倒なことかもしれませんが、スープを食べてもらうことでお客様にどうなって欲しいのかを求めるのが本質だと思います。

我々は、自分たちのことをスープ屋だとは思っていません。「食べるスープ」というひとつのカテゴリーを立ち上げましたが、それは手段でしかありません。一番大事なことは、会社の経営理念でもある「世の中の体温をあげる」ことです。


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