愛されるお店の作り方

イタリアンのセオリーを無視した赤ちょうちん的な店~イタリアン酒場 ナチュラ

2015年11月17日

人気メニューは「ジョッキで飲めるスパークリングワイン」

乾杯ドリンクの定番、ジョッキスパークリング

ナチュラを象徴する“男っぽい”ドリンクメニューのひとつに、「ジョッキスパークリング」がある。ジョッキにスパークリングワインを注ぎ、氷を入れて豪快に乾杯して飲めるものだ。今でこそ、このメニューを取り入れている店も多いが、ナチュラはその走りだと言ってもいい。そもそもこの型破りなメニューはどのようにして生まれたのだろうか。

「よく銭湯の帰りに寄ってくれる常連のおじいちゃんがいるんですが、湯上がりにワインを飲む時はいつも氷を入れていたんです。それを見て『もしかしてスパークリングワインでもいけるんじゃないか』とひらめいたんです。要するに“ワインを使ったサワー”みたいな飲み物が作れないかなと」

ヒントは意外と近くにあった。しかし着眼点の良さだけでこの商品は生まれなかった。

「最初の課題は、スパークリングワインそのものでした。氷を入れるだけと簡単に考えていましたが、実際に飲んでみると思っていた味と全く違う。『香りが足りない』『味が薄い』。価格が高い銘柄なら美味しくなるかというとそうでもないのです。そこで数社のメーカーにこのドリンクメニュー開発の協力を依頼しました。ところが“スパークリングワインに氷を入れる”この一言だけで、ほとんどのメーカーに断られました。でも1社だけは面白いと言っていただき、2ヶ月かけて一緒に試飲を繰り返してやっと氷と“相性”が良いスパークリングワインを見つけたのです」

ついにワインは見つかった。しかし今度は、価格の壁が立ちはだかる。

「試算してみると、想定売価が1杯800円になってしまいました。それでは売れるわけがない。あくまで“サワー”なのだからどんなに高くても480円~580円までにしたいと、無理を承知でメーカーさんにお願いしました。そして3ヶ月で600本を売ることを条件に価格面も協力いただけることになったのです。この条件は、普通に考えるとうちの店の規模では難しい量です。でも僕はジョッキスパークリングならいけると確信していました」

3ヶ月後、その自信を後押しするようにスパークリングワインの売上本数は600本どころか、3倍の1800本を達成するのだった。

イタリアンの敷居をとことん下げる工夫

東急東横線新丸子駅西口スグの新丸子店

店名に“イタリアン”を冠しつつも、入り口の提灯や、モルタルの床、店の中と外を仕切るビニールカーテン、壁に貼られた筆文字で書かれたメニューなど、随所に日本の“大衆酒場”の雰囲気が漂わせているナチュラ。もちろん店舗づくり以外にもこの“大衆化”にこだわっている部分は多い。

愛されるお店の作り方 バックナンバー

おすすめ記事

関連タグ

メルマガ登録はこちら
フーズチャネルタイムズ 無料購読はこちら