企業インタビュー
2015年09月15日
梅村雄士(うめむらゆうじ) …1978年、熊本県生まれ。神戸の大学を卒業後、居酒屋勤務を経て2005年に有限会社Beard Labo.を設立。共同経営に失敗するも、再独立の際に債務を引き取り、2009年に社名を株式会社オベーションプラスに変更。神戸市の六甲道に「「Bar S"alu(バルザル)」1号店をオープンする。
神戸・大阪を中心に、2009年から「Bar S"alu(バルザル)」「ピグボッテ」などイタリアン主体の4ブランド13店舗を展開する株式会社オベーションプラス。2015年4月には東京・蒲田に関東初号店をオープンさせ、今後も関東での出店を加速する。
陣頭指揮を執るのは梅村雄士社長、37歳。近畿の若手経営者の会「エフロク」の副理事を務めた経験もある注目の経営者だが、ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかったという。今回は店づくりへの想いやバル業態での生き残り術、そして関西と関東の飲食業界の違いなどについてお話を聞いた。
【Q】メインで展開している「バルザル」のコンセプトについて教えて下さい。
弊社の理念の一つに「飲食を通じた地域貢献」というものがあります。それを実現するために、「街のコミュニティスペース」のような存在にしようと考えました。ですので、簡単に言うと、デイリーユースしていただける、気軽に使える店を目指しています。
【Q】頻繁に通ってもらうために工夫していることはありますか?
イタリアンバル「バルザル」のメニュー例
まず、客単価は関西の一般的な居酒屋より安めの2200円~2300円くらいに設定しています。
あと、グランドメニューは全店舗で統一していますが、それぞれの店舗で違ったおすすめメニューを用意しています。たとえば「鉄板焼き」「串揚げ」など、そのエリアにお店がないジャンルにして、できるだけ他店と競合しないようにしています。
私はもともと本社がぜんぶ指示を出してうまくまわるとは思っていません。目標とする「街のコミュニティスペース」は、現場スタッフとお店にいらっしゃるお客様とのコミュニケーションがあって成り立つものです。そのためには、遊びの余白みたいなものはあったほうがいい。すべてルール化された「ザ・チェーン店」的なやり方は、ウチには向いていないんですよ。
【Q】1号店を出した後、店舗展開は順調に進んだのでしょうか?
神戸の三宮・元町エリアの3店舗を除いては、都心から少し外れた、いわゆる下町と呼ばれるようなエリアで順調に出店してきました。早い段階でバル業態を手がけたことで、スピード感をもって店舗展開が出来たという感じはあります。ただ、バル業態が飽和状態を迎えた2013年~2014年はキツかったですね…。
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