企業インタビュー
2015年08月18日
自分好みのサラダが目の前で出来上がる―。2014年12月、東京・麻布十番にオープンしたチョップドサラダの専門店“クリスプ・サラダワークス”が注目されている。オープン以降、働く女性やサラリーマン、ファミリー、外国人など幅広い層に支持され、売上げは毎月右肩上がり。“愛されるサラダ専門店”はいかにして作られたか?同店を運営する株式会社クリスプの宮野浩史社長に聞いた。
「コンビニやファミレスのサラダは安価で手軽に買えますが、味も素材もそれなりです。レストランのサラダは高品質で美味しいものもありますが、ボリュームが少なく男性には物足りないこともあるようです。特にカジュアルなサラダは、食べたくて食べるというよりも、食事制限など罪滅ぼしのような感覚で食べられることが多い。そこで、クリスプ・サラダワークスでは美味しいサラダを、お腹いっぱい我慢せずに食べられる“ご褒美”として提供しようと考えました。そこに潜在的な可能性を感じたわけです」
そこで宮野氏が着目したのが、アメリカの都市部を中心に根強い人気がある“チョップドサラダ”だった。その名称の通り、客に好みの野菜を選んでもらい目の前でチョップする(細かく切り刻む)スタイルだ。
「アメリカで初めて見たときに、まずチョップドサラダのボリューム感に驚きました。単なるサラダではなく、肉やチーズがしっかり入っていて完全な“食事”の感覚。これがまず新しいと思いました。でも、正直その時に食べたサラダはあんまり美味しくなかったので、日本人に合ったオリジナルで美味しいものを作ればよいのではと」
「食べたいものだけを食べて、パッと帰れるという食事のスタイルも、今の日本の生活にマッチしていると思いました」
確かにレストランではメインディッシュに辿り着くまでに時間が掛かり、居酒屋では先に飲み物の注文を聞かれることも多い。食事だけ食べてパッと帰れるとしたら、ファストフードぐらいだろうか。
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