企業インタビュー
2015年03月17日
紙袋で業界シェア約30%を誇り、マクドナルドなどの大手外食チェーンから、小売店、有名デパート、ファッションブランドまで、あらゆる業種に渡り幅広い顧客を有する大昭和紙工産業。そのまま広告となりうる紙袋は、ブランディングの強化策としての存在も大きい。
紙袋メーカーでありながら、企画力とデザイン力を備えた「トータルパッケージ」戦略を進める大昭和紙工産業の齊藤了介会長に、紙袋の活用法と同社の強みについてお話を伺った。
日常生活を送るなかで、何気なく使っている紙袋。あまりにもありふれた物ではあるが、改めてその機能について考えてみたい。齊藤氏は紙袋の役割をどのように捉えているのだろうか。
トータルパッケージ戦略を進める
齊藤了介氏
「まず基本的なこととして、商品を無事に家に持って帰れるということ。SP(セキュリティポリス)のイメージでしょうか。我々の専門用語で角底と言いますが、四隅の角に強度があるので商品を潰すことなく守ってくれます。このことは当たり前のことであるだけに重要なことです」
そして、もうひとつ、紙袋には大きな役割があると齊藤氏は話す。
「紙袋はその中に入れて持ち運ぶ商品を彩るためのドレスでもあるわけです。つまりファッション性も備えていなければいけません」
事実、大昭和紙工産業が手がけた紙袋は、物を運ぶという枠組みを超え、女性客から『紙袋がほしい』という要望があるほど好評だという。
「このことを別の見方をすると、広告としての紙袋の役割が見えてきます。例えば、あるハンバーガーショップでテイクアウトをしたお客様が、そのお店の紙袋を持ち歩くことで、それを見た別の方が『あっ、○○ハンバーガーいいな、食べたいな』といった意識を喚起してくれます」
この紙袋に求められる基本的なふたつの役割を、大昭和紙工産業は提供している。
「我々としては、弊社に紙袋をご依頼いただけば、“売上は2倍”になります!という気持ちで営業活動をしています。2倍というのは、あくまで気持ちではありますが、実際に導入していただいた企業様からは『売上アップにつながった』というお声をたくさんいただいております」
紙袋に求められる「広告としての役割」は、デザイン力が伴って初めて実現するものである。大昭和紙工産業の商品が、広告としても高い評価を得ている背景には、メーカーでありながらデザイン分野にも多くの資本を投下してきた蓄積があった。
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