法令対策

電子帳簿保存法の基礎知識(前編)~企業会計を支える“国税関係書類の電子化”

市川琢也(辻・本郷税理士法人)  2014年10月08日

「帳簿」の電子化について

 実際に、電子帳簿保存法では、「帳簿」の電子化から入られるといいのではないでしょうか。帳簿を電子化する際に、“自社で一貫して統一的に電子的な会計データが作られていなければいけない”という決まりがあるのですが、多くの企業で採用されている一般的な会計ソフトはこの要件を満たしています。会計ソフトですでに帳簿の電子化が進んでいて、所轄税務署への申請に必要な要件を備えていれば、帳簿だけ電子化の承認を受けることができます。

「書類」の電子化について

 「書類」の電子化については、帳簿に比べてやや複雑な部分があります。注文書(発注書)や納品書、請求書、契約書などの書類を「電磁的記録」や「スキャン文書」での保存するのが難しいのではないかと思います。

 というのも、電子保存では真実性や可視性が重要なため、これらの書類をワードやエクセルなどで作成して発行している場合、その書類を電子保存するには、検索ができたり、通し番号を付けたり、書類のすべてに電子署名やタイムスタンプがなければ税務署へ申請することができません。こうした保存要件を満たすには、独自にそれなりのシステムを開発せねばならず、コストがかかってきます。

 一方で、「電子取引の取引データ」による保存は、前述したように税務署への申請が不要のため、導入する企業が増えています。「電子取引の取引データ」とは、例えばASP事業者が提供するサービスが該当します。こうしたサービスでは、データの削除や変更の履歴を辿ることができ、保存された書類をすぐに検索できるようになっているためです。

 ペーパーレスによるエコへの貢献やコスト削減を考えた際、膨大な紙の量となる「書類」こそ電子化を進めたいジャンルです。統一的なシステムやソフトの普及で、今後さらに導入する企業は増えてしていくのではないでしょうか。

 次回(後編)では、税務署への申請手続きと、飲食業界を例に導入する際の具体的な方法などについて詳しく述べていきたいと思います

執筆者プロフィール

市川琢也(辻・本郷税理士法人) 

税理士。平成20年辻・本郷税理士法人入所、平成23年税理士登録、平成25年10月より公益法人部部長。公益法人制度改革のプロジェクトを担当し、チームで約400法人のコンサル業務を管理した。(全社では約1,000法人関与)
現在は、新人育成、社会福祉法人の支援業務など幅広く業務をしている。


辻・本郷税理士法人
平成14年4月設立。東京新宿に本部を置き、国内36拠点、国外3拠点を展開する、国内最大規模を誇る税理士法人。全スタッフ数720名、うち公認会計士・税理士(有資格者含む)が約269名(グループ会社含む)<平成26年8月現在>。
各税務分野別に専門特化したプロフェッショナル集団。弁護士、司法書士、不動産鑑定士との連携によりお客様の立場に立った最高水準のサービスとあらゆるニーズに応える総合力に定評がある。

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