企業インタビュー

老舗の条件「メニューを変えるな」「経験に嘘をつくな」~株式会社つばめ 石倉悠吉代表取締役社長

2014年07月01日

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石倉悠吉(いしくらゆうきち)…1943年、東京都港区生まれ。66年、大学卒業と同時に飲食業界入りし、
父からつばめグリルを継ぐ。2014年6月現在「つばめグリル」「つばめや」「つばめDELI」など24店を経営。

化学調味料や着色料、保存料を使わない素材の味にこだわり抜いた洋食屋「つばめグリル」、ステーキ「つばめや」を運営する株式会社つばめ。社長の石倉悠吉氏は、80年前に祖父がはじめた駅中洋食屋を、大赤字経営の状態で引き継ぎ、2014年6月までに24店舗にまで増やした手腕者だ。

約半世紀にわたる経営を支える石倉社長のモットーは「自分の経験に嘘をつかないこと」。老舗を目指して歩んできた石倉社長の経営哲学に迫った。

「老舗になって多店化」目指す

【Q】飲食業を始めようと思ったきっかけを教えてください。

「つばめグリル」は、祖父が1930年ごろに新橋駅内ではじめた洋食屋です。食べ物屋の家の子供だから食べ物屋をやろう、となんとなく思っていました。

つばめグリルは戦後銀座に移り、日本経済の復興を担った社用族を相手に繁盛していましたが、私が大学を卒業した65年は東京オリンピック後の不況で、売り上げは最盛期の半分以下。「洋食をずっとやってもダメだ」と思ったので、私自身は当初はつばめではなくてラーメン屋などをやっていました。そんな中、祖父のあとを継いでいた父がつばめグリルから退くということで、経営に自分が携わることになりました。当時は赤字経営からのスタートで、洋食にこだわらず大衆食堂のようなメニューも出していました。

【Q】「つばめグリル」を継いだ当初、どのような飲食店を目指しましたか?

40年続く看板メニュー、つばめ風ハンブルグステーキ

継いだ当初、銀座の老舗には不況にも関わらず人がいっぱい入っているのをみて、「どうせだったら老舗になりたい」と憧れ、目指すようになりました。

それと、コックさんが長く働けるような場所にしたいと思いました。飲食店は昔から昇給で賃金が払えなくなったら「修行にいけ」といって体よく追い出すなど、コックさんの使い捨てがあって、それに違和感がありました。一生懸命やってくれるコックさんがずっといられるような飲食店にしたい、そのためには多店化が不可欠でした。

【Q】老舗を目指す上で、どんなことを大切にしていましたか?

石倉社長

「老舗がうらやましい、老舗になりたい」なんて言っていると(カバン専門店「銀座タニザワ」の)谷澤さんから、「銀座の旦那衆たちはみんな幼なじみで、お互い裏事情を知り尽くしている間柄。そんな仲間達の信頼を落としたくない、仲間達に恥ずかしくない嘘のない商売をしようという気持ちが、銀座の街を支えている。だからあなたも仲間に恥ずかしくない商売をしなさい」というアドバイスをいただきました。

長続きする老舗になるために、嘘をついてはいけない。何に対して嘘をつかないかというところですが、それは自分の経験に対して嘘をついちゃいけないということです。経験が乏しくて視野が狭い若いころに自分が正しいと思い込んでやっていることも、間違いだったということに気付いたときに修正できるか、自分の心と対話できるかが大切なんじゃないかなと思います。

私の場合、それは化学調味料との向き合い方ですね。つばめグリルでも私が継いだばかりのときは化学調味料をたくさん使っていました。味覚ではおいしいけれど、食べたあとになんとなく違和感が残る味です。お客さんは増えてきているけれど、このままの商売を続けてはいけないと思い、軌道修正しました。

【Q】老舗の多店化を目指し、具体的に行なったことを教えて下さい。

メニュー数をしぼるということ、物流を工夫するということです。

アメリカで20年30年と続いているお店はメニューを変えていません。同じメニューでも、味をおいしくさせています。売れなくなったからと言ってメニューを変えるのはダメなんです。おいしくするということを考えるということは、素材や鮮度など本質的なところを突き詰めていかざるを得ません。調理場の導線や、セントラルキッチンを作って効率を上げるとか、そういった内部の仕組みを時代に合わせて工夫してきました。

メニューを変えなければ産地との物流を集中させることができます。一次産品は大量仕入れでも商品の値段は変わりませんが、物流を工夫することで利益を増やすことが出来ます。

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