企業インタビュー

石巻の海と生産者の顔を伝える居酒屋~日本一の魚バカ市場石巻港津田鮮魚店

2014年03月04日

東日本大震災から3年。仙台の株式会社スタイルスグループ様は、復興に向けて奮闘する生産者と手を取り合い、地産地消を実現させている飲食店として業界の注目を集めています。ネオ大衆居酒屋というハコで、復興に向けて生きる生産者の想いを届ける営み方が人々の心に響き、2014年2月期の売上高は前期比2割増の見込みと好調です。4月には東京・人形町に新店舗をオープンさせる予定です。そんな破竹の勢いのスタイルス様の店舗現場を見ようと、震災のわずか8ヶ月後に開店した話題店「日本一の魚バカ市場石巻港津田鮮魚店」を訪問しました。

前を向く姿に人々が共感

-●震災後、スタイルスグループとして展開方針を変えたところなどありますか?
震災前は焼き鳥や立ち飲みスタイルなど幅広いテーマの居酒屋を仙台市内に展開しておりました。しかし震災後、弊社社長・佐々木は変わり果てた故郷・石巻の風景を見て、「外食産業に関わる者として復興をどう手助けできるか」を考えた末、「魚介類に特化した居酒屋ならば被災した沿岸部の生産物を伝えながらサポートできる。漁業生産者とともに地産地消の実現を目指そう」と決意し、既存店舗を改装して魚介類特化型のお店に変えていきました。現在運営する11店舗のうち9店舗が「天海のろばた」「第十一天海丸」「津田鮮魚店」など、魚介類に特化した居酒屋です。

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-●「津田鮮魚店」がオープンするまでのいきさつを教えてください。
弊社社長・佐々木が震災後の炊き出しや遺体安置所で、津田鮮魚店(株式会社石巻津田水産)の2代目・津田裕樹さんに出会い、意気投合したことがきっかけです。

 

津田鮮魚店は、石巻で40年以上続き、仙台市内にも支店を出す鮮魚店です。本店は震災で全壊したものの、弊社社長は津田さんの人柄から今後地元水産業界を引っ張っていく素質を感じ「この若者と一緒に仕事をしたい」との思いに至りました。そして、昼間は津田さんの仙台市内の販路拡大拠点となる魚屋、夜は津田さんが仕入れた鮮魚を使う居酒屋という二毛作型の「津田鮮魚店」が始まりました。

 

魚屋としての営業は、仙台市内での卸し先獲得に成功したため1年間で終わり、現在は夜の居酒屋としての営業のみです。

 

-●午後7時前にもかかわらずテーブル席はほぼ埋まっているという活況ぶりにおどろきました。人気店となった理由はなんでしょうか?
いくつかありますが、いちはやく被災地石巻の人間が復興に向けて次のステップに行動しているというところに惹かれて人が集まっているのだと思います。震災後、道路や生活インフラなどを復旧させ「当たり前にあった普通の生活」に戻ることの優先度が高いのですが、物流などままならい中でも、店を失った津田さんが次のステージに向かっていくという姿に元気をもらった、あるいは共感した、という方が多いです。

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