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機能性表示食品とトクホの違いとは?特徴・開発・申請フローを解説

2022年09月28日

機能性表示食品とトクホの違いとは? 特徴・開発・申請フローを解説

「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」に加え、2015年からは「機能性表示食品」という制度が開始された。機能性表示食品の市場規模は年々10%以上の拡大を続け、2020年度は3000億円を超えた。

これらの保健機能食品は、商品パッケージに特定のマークや機能性を表示できるため、通常の食品と差別化することができる。一方で、保健機能食品の種類によっては国の許可や定められた基準、申請方法など商品開発にかかるコストも多くなる。今回は、特定保健用食品と機能性表示食品の特徴や市場動向、開発から申請の流れについて解説する。

特定保健用食品と機能性表示食品の制度

消費者が購入する食品の中には、健康や栄養などに関する特定の機能を持つ「保健機能食品 」というものがある。この制度の中に「特定保健用食品(トクホ)」と「機能性表示食品」があり、「栄養機能食品」と合わせて3種類に分けられている。

保健機能食品制度は、国の認可を受けたものや基準を満たしたもの、効能や効果が実証されているものに限られており、直接的な根拠のないものについては同制度の対象とならない。主に消費者が自身の状況に応じて安全に食品を選択できるよう、適切な表示と情報提供を目的とした制度である。

特定保健用食品と機能性表示食品の市場規模

機能性表示食品とトクホの違いとは? 特徴・開発・申請フローを解説

参考:公益財団法人 日本健康・栄養食品協会「特定保健用食品の市場および表示許可の状況
参考:株式会社 矢野経済研究所「健康食品市場に関する調査を実施(2022年)

特定保健用食品の市場は2019年度までは安定した推移だったが、2020年度は883億円減少した。一方で機能性表示食品は、2019年度から2020年度で501億円の増加となっている。

コロナ禍でテレワークや外出自粛する人も増え、肥満やダイエットを意識する傾向が見られる。そうした需要に合わせて食品メーカーによる清涼飲料の機能性表示食品化、積極的な広告展開による機能性食品の認知度アップなどが行われている。近年ではヤクルトが販売している「Yakult1000」の爆発的ヒットなどが記憶に新しい。

これらの推移を見てみると、様々な臨床試験や食品ごとに許可を得なければならない特定保健用食品から、コスト面で展開しやすい機能性表示食品にシェアが移り変わっている背景がある 。

特定保健用食品と機能性表示食品の違い

特定保健用食品や機能性表示食品のポイントとしては、効能や効果などを表示できることにある。国で定められた基準をクリアし、認可を得たものだけが保健機能食品として販売できるため、健康面における信頼性の高さが通常のサプリメントや健康食品とは大きく異なる点だ。

しかし特定保健用食品や機能性表示食品は、特定の疾患や症状などに対して治療・予防・防止などの効果が認められた「医薬品」や「医薬部外品」とも違うため、注意も必要だ。あくまで保健機能食品は「健康促進」という面が強く、疾患や症状の直接的な治療に用いることはできない。

これらを踏まえて、特定保健用食品と機能性表示食品の違いについて見ていこう。

特定保健用食品と機能性表示食品の届出や審査

 特定保健用食品機能性表示食品
申請方法 食品毎に国の審査・届出が必要 届出のみ必要
表示マーク 消費者庁許可マークの表示 「機能性表示食品」と記載
申請内容の公開 情報公開の義務なし 情報公開の義務あり
許可数・届出数 1,060件(2022年9月時点) 5,797件(2022年9月時点)

参考:消費者庁「特定保健用食品の表示許可について
参考:消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」検索にて一部抜粋

特定保健用食品については、定められた機関において試験を行い、有効性や安全性についての審査を経て許可される必要がある。そのため、開発から販売までに数年かかり、数千万円~数億円規模の費用がかかるなどのコストも大きい。

一方で機能性表示食品は、事業者の責任で有効性や安全性の科学的根拠を示せば国への届出のみで審査は必要ない。特定保健用食品に比べて、審査にかかる期間や費用の負担が少なく、機能性表示食品として展開するケースも挙げられる。機能性表示食品の届出数が特定保健用食品の許可数の約5倍以上となっているほどだ。

特定保健用食品と機能性表示食品の傾向

どのような特定保健用食品や機能性表示食品が開発されているのか見ていこう。お茶や青汁、乳酸菌などの飲料系から、ガムやキャンディなどの菓子類、さらにはタブレットや錠剤のようなサプリメント状の商品も多く展開されており、有効成分や効能も多岐にわたる。

【特定保健用食品】

 表示例
食品表示注意事項
はっ酵乳・
乳酸菌飲料
本品には○○が含まれるため、腸内の環境を改善、おなかの調子を整える 他の食品からの摂取量を考えて適量を摂取する
清涼飲料 本品には○○が含まれ、コレステロールの吸収を抑える働きがある、食物繊維が不足しがちな方、食生活の改善に役立つ 多量摂取により疾病の治癒や、より健康が増進するものではない
茶系飲料 本品には○○が含まれ、脂肪の多い食事をとりがちな人の食生活改善をサポート 摂り過ぎあるいは体質・体調によりおなかがゆるくなることがある
チューイングガム 本品には○○が含まれ、歯を丈夫で健康にする 多量摂取により疾病の治癒や、より健康が増進するものではない
乾燥スープ 本品には○○が含まれ、食後の血糖値が気になる方に適している 血糖値に異常を指摘された方や、糖尿病の治療を受けておられる方は、事前に医師などの専門家にご相談する

参考:消費者庁「特定保健用食品について
参考:消費者庁「特定保健用食品制度の概要

特定保健用食品では、表示する保健の用途に加えて関与成分、1日の摂取目安量の表示が必要となる。また、必要に応じて接種をする上での注意事項の記載が求められる場合もある。

【機能性表示食品】

食品表示例
清涼飲料 本品には○○が含まれるため、血中コレステロールが気になる方におすすめ
加工食品(大豆) 本品には○○が含まれるため、丈夫な骨を維持したい方に適している
キャンディ 本品には○○が含まれるため、糖の吸収をおだやかにすることが報告されている、眼の疲労感を改善する機能が報告されている
サプリメント 本品には○○が含まれるため、体脂肪(内臓脂肪)を減少させる働きがある、日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する機能があることが報告されている

参考:消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」検索機能にて一部抜粋

機能性表示食品では、最終製品を使ったヒトでの試験だけでなく、論文や文献を引用した科学的根拠の提示も可能である。その場合、「~の機能が報告されています」などの間接的な表現にする必要があることもポイントだ。

特定保健用食品と機能性表示食品の開発・申請フロー

特定保健用食品や機能性表示食品を開発する上では、対象となる関与成分が含まれているか、安全性や機能性に根拠があるかが重要となってくる。それぞれの大まかな流れとしては、以下の通りだ。

 特定保健用食品機能性表示食品
1 商品企画、サンプルの製造
・市場の動向や需要、トレンドの調査
・その結果から商品コンセプトや機能性表示の選定
商品企画
・市場の動向や需要、トレンドの調査
・その結果から商品コンセプトや機能性表示の選定
2 申請に必要なデータ収集・書類作成
・安全性における根拠の明確化・製造や品質管理体制の整備
・健康被害の情報収集体制の整備
・機能性における根拠の明確化
・商品パッケージへの適正な表示
申請に必要なデータ収集・書類作成
・安全性における根拠の明確化
・製造や品質管理体制の整備
・健康被害の情報収集体制の整備
・機能性における根拠の明確化
・商品パッケージへの適正な表示
3 届出・審査
・消費者庁への手続き
・各委員会・調査会への評価依頼など
・特定の機関へ分析依頼
・審査期間を考慮しつつ、生産準備や製造計画を立てる
届出
・消費者庁へ書類の提出
4 許可書の交付後に販売 許可書の交付後に販売

参考:消費者庁「特定保健用食品の申請手続きについて
参考:消費者庁「「機能性表示食品」制度がはじまります!

特定保健用食品は開発から申請、販売までの期間が長期化しやすく、臨床試験などでコストもかかる。しかし特定保健用食品として販売するには、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け許可を得ている商品であるため、消費者の安全と安心、適正な表示に基づく消費者の選択の機会が確保される。

特定保健用食品と機能性表示食品のうち、自社に適したものを検討しよう

特定保健用食品と機能性表示食品では、開発のフローは大きく違うため、自社の目的に適したものを選ぶことが重要だ。

消費者に「健康増進・食生活改善」を意識させる役割を担う保健機能食品。コロナ禍で消費者の健康への意識も変化している昨今、自社でどのような商品を開発し、消費者へ届けられるかを検討するところから始めてみよう。

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