衛生管理・食中毒対策

食品製造業の工場監査で注意すべき5つのチェックポイント。品質管理と情報管理で信頼性を向上

2021年12月24日

従業員への衛生指導

いくら工場内を清潔にしていても、従業員が外部から異物や細菌を持ち込んでしまうと、それが原因で食品の廃棄につながることもある。そのため、日頃から従業員への教育を行うことが大切だ。

たとえば、手洗いやうがいはもちろんのこと、マスクの着用や作業着の正しい着用方法なども周知徹底する。毛髪やまつげなどの細かい部分と合わせて、業務の開始前や終了後にチェックシートを用いて確認させるとよい。

特に食品工場であれば、異物や細菌を外から持ち込まないようにするためにも、特定の食材(納豆など)の持ち込みを禁止し、作業服の洗濯も工場側で行うことが望ましい。

HACCP管理の徹底

HACCPとは、世界中で推奨されている食品の安全性の確保に適した衛生管理手法のこと。日本においても食品衛生法の改正により、すべての食品等事業者を対象に2021年6月からHACCP制度の義務化が開始された。HACCP制度は大規模な設備の導入や改修を行うものではなく、現行の環境に基づいた衛生管理の最適化を図ることが目的だ。

具体的には、
・衛生管理計画と手順書の作成
・従業員への周知徹底
・実施状況の記録や保存
・衛生管理の効果を検証し必要に応じて改善
となる。

主に大規模事業者やと畜場などは「HACCP7原則に基づく衛生管理」、小規模事業者等は簡略化された「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実施する必要がある。詳しい内容や業種別の取り組みに関しては、厚生労働省の手引書を参照すると分かりやすい。

参考:
厚生労働省「HACCPに基づく衛生管理」
厚生労働省「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」

クレーム品や不適合品など原因究明の対策を規定

品質異常が起こった際には、素早い対応や再発防止のための対策が必要不可欠になる。社内における情報の共有や意思決定、流通してしまった製品の回収などを迅速に行い、被害を最小限に抑えるためにも、ホットラインの設置や緊急連絡網の作成などが重要だ。

再発防止につなげるには、どの工程で問題が発生したか、なぜ異常が検出されなかったのかを検証しなければならない。業務プロセスの明確化や危害要因の特定が求められるものの、そこでHACCPによる衛生管理が機能する。

具体的には作業工程ごとの監視や記録、特に食品のリスクを取り除くべき場所である重要管理点(加熱処理等)の設定など。HACCPによる衛生管理は、現場の状況を把握しやすくなりクレームの減少にも効果的といえる。

仕入れ先情報の管理

食品工場において食材の原産国やアレルギー情報などが間違っていると、消費者の健康被害やクレームにつながる。そのため製品ごとの情報管理は必要不可欠であり、内部監査でもしっかりチェックしておきたい部分だ。

原材料のデータをしっかり把握しておかなければ、保管方法や消費期限が曖昧になってしまい、品質にばらつきが生まれるなど不適合品の発生につながりかねない。

仕入れ先から原材料の変更があった場合にも、即座に対応しなければ食品表示法に違反する恐れがあるだろう。適切な情報管理を行うことは、食の安全や安心を維持するだけでなく、工場監査においても評価されるべきポイントである。

そうした取引先からの仕入れ情報や生産元の真偽、食材ごとのアレルギー情報を運用するには、正確な製品規格書の作成や整理されたデータ管理が欠かせない。

製品規格書の作成

食品工場の場合、製品ごとの原材料や栄養成分、原産国やアレルギー情報などを細かく記載すると膨大なデータ量となる。しかしそれらの情報を取り扱うとなると、エクセルでの管理やFAXによる取引先との共有はあまり現実的ではない。産地などの食品表示と規格書の整合性をチェックする際にも、かなりの手間が掛かるだろう。

そこで効率的に規格書を管理できるシステムの活用も有効だ。たとえば「BtoBプラットフォーム規格書」では、膨大な量の全ての製品規格書をクラウド上で一括管理できる。

また検索機能もあるため、製品規格や手順書に沿った製造工程のチェックもスムーズに実現。工場監査で必要となる情報を素早く引き出せる。

食品製造のリスクを減らすためにも工場監査は必須

多くの食品工場では、すでに念入りな清掃や洗浄、殺菌対策などによる衛生管理を実施しているところも多いだろう。

しかし万が一に備え、異物混入や食中毒などの発生源を特定し、トラブルやクレーム時にもスムーズに対応するためにも、定期的な工場監査は必須といえる。取引先や消費者からの信頼を得るためにも、常に製造工程や作業環境を意識し改善につとめていってほしい。


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