衛生管理・食中毒対策

HACCPからステップアップ。食品事業者がISO22000、FSSC22000国際規格を取得するメリット

2021年12月03日

このようにリスク管理や改善の仕組みづくりには様々な要素が必要となりますが、ISO22000やFSSC22000には必要な項目が要求事項として網羅されており、その内容にそって取組を進めていくことで、仕組みの抜け漏れを防ぐことができます。

ISO22000(FSSC22000)の要求事項
1.内部・外部の課題の明確化 利害関係者および要求事項の明確化
2.経営者の責任 組織、権限の明確化
3.リスクと機会の明確化 目標+計画の作成、変更管理
4.資源管理(ヒト、モノ、カネ、時間、情報) コミュニケーションの組織づくり
5.食品安全(PRP、HACCP)緊急事態対応 衛生管理、製造工程管理
6.評価、検証 内部監査、マネジメントレビュー
7.改善 一番上に戻る


また、取組みを継続するにつれて、従業員が改善について常に意識するようになってくると、改善の対象が、衛生管理ルールや製造工程管理ルールだけでなく、既存製品の改良や新製品の開発につながってくるようなケースもあります。弊社のお客様では、FSSC22000の取組みを部門の垣根を超えた情報共有や組織の活性化につなげることで、普段は製品開発に関わらない総務部門や製造部門からのアイディアにより新たなヒット商品を生み出した実例もあります。

ISO22000、FSSC22000に取組むメリット

②「会社の安全性・信頼性」につながる

最近、新規取引先との取引開始時にISO22000やFSSC22000取得有無もしくは取得予定を確認されたという食品事業者が増えています。では、なぜそのようなことが確認されるのでしょうか? 過去に食品事故を起こしたこともなく、安全な製品が出荷できていれば、ISO22000やFSSC22000取得の確認などは不要なのではないでしょうか?

取引先からすれば、製品の安全性は大前提であり当たり前の条件となっています。昨今では、製品の安全性だけでなく、会社の安全性・信頼性が必須となっており、その一環として、ISO220000やFSSC22000の取組み状況が確認されています。製品の安全性として、喫食した場合に健康被害を発生させないことを担保することだけでなく、経営層も含め、会社としてのリスク管理が徹底されていることが重要な取引条件となっています。

過去には食品事業者において組織的な記録の改ざんや偽装が行われ、業界全体の信頼が失墜したようなこともありました。実際には、偽装を行うような事業者はごく少数であり、大半の食品事業者は真摯に食品安全に取り組まれていますが、仕組みとしてリスク管理に取り組んでいることを取引先に証明できることも、ISO22000やFSSC22000取得メリットのひとつといえます。

当然ながら、取得しているだけではなく、表面だけの取組みになっていないか、有効に機能しているかを見直しながら、改善が継続している運用が実施されていることが重要です。

ISO22000、FSSC22000取組みにおけるポイント

ISO22000、FSSC22000の取組みにおいては、具体的にどのような要求事項があるのか、その要求事項の目的は何か(どのような危害やリスクを想定しているのか)、どのような対策を実施すればよいのかを理解しながら進めていく必要があります。経営者がスケジュールや食品安全チームメンバーを決めてしまって、「あとは任せた」というような進め方では、メンバーも途方に暮れてしまいます。

失敗するケースに多いのは、「取組みに必要な時間確保と、適切な意思決定が行われない」ことです。チームメンバーに選ばれた従業員は通常業務と並行して参加することになります。取組みを残業で対応することが前提となっていると、チームメンバーに無理が生じて、途中で頓挫してしまいます。事前にチームメンバーになっている従業員の業務割り振りを見直し、必要な時間を確保しておくことは重要なポイントとなります。

また、各要求事項に対して、具体的な何をどこまでやればよいのかを適切に意思決定していくことも重要です。要求事項を確認し、チームメンバーの様々な意見を聞くことも重要ですが、誰かが最終決定していかなければ、いつまでも同じ議論が行われ取組みが先に進まなくなってしまいます。

ISO22000やFSSC22000においては、外部専門家の活用が要求事項として認められておりますので、必要に応じて、知識や経験を持った専門家を活用することも、取組みをスムーズに進めるためのひとつの選択肢であると考えられます。

ISO22000やFSSC22000取得は、あくまで手段であり目的ではない

国内外において国際規格の取得数は年々増加しており、今ではISO22000やFSSC22000を取得しているということは、それほど珍しい話でもなくなってきました。また、国際規格を取得していなくても、自社のやり方で、リスク管理や改善に向けた取り組みを構築できている食品事業者も存在しています。

ISO22000やFSSC22000を取得しなければリスク管理ができない、改善の仕組みづくりができない、ということは決してありません。国際規格の取得は、あくまでひとつの手段であり目的ではありません。

いま食品事業者に求められているのは、製品の安全性担保だけでなく、会社の安全性担保にもなり得る仕組みづくり、さらには、社内外の情報共有や組織の活性化を通じて、今日より明日、今年より来年に向けて、よりよい会社に成長していける仕組みづくりです。

「いま何が求められているか、何をやらなければいけないのか」を理解することが大事

食品事業者を取り巻く環境は大きく変化しています。以前は考えられなかったようなリスクに突然直面するようなことが実際に起きています。

「リスク管理なんて難しそうで、よくわからない」「ウチは今まで食品事故を起こしたこともないし、今まで通りで大丈夫だろう」「取引先から要求されているわけでもないから、ウチには関係ないな」とは思わずに、まずは「いま食品事業者に何が求められているのか、何をやらなければいけないのか」を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

ISO22200やFSSC22000といった国際規格において、具体的にどのような内容を要求されているのか、自社ではどの部分は出来ていて、どの部分が出来ていないのかを理解することで、今後取り組むべきポイントが見えてきます。

国際規格の認証を通して取組を進めることも、認証を取得せずに自社なりに取組を進めることも可能です。最終的には、自社にとって、どのような取組が最善であるかを見極めて、対応していくことが重要です。

まずは認証制度について理解することが重要

ISO22000やFSSC22000といった国際規格への対応は義務というわけではありません。しかし、その内容を知ることで、なぜ対応しなければならないのか、その理由が見えてきます。

国際規格を取得する場合であってもしない場合であっても、要求されている内容を理解することで、自社の食品安全管理に取り入れられる部分が出てきます。まずは国際規格がどのような内容なのかを知り、知識として身につけておくことが重要です。


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フーズアーキテクト株式会社

住所:〒231-0004神奈川県横浜市中区元浜町3丁目21−2ヘリオス関内ビル
事業内容:HACCP制度化、ISO22000/FSSC22000/
JFS-A、B、C等の認証取得、各種コンサルティング
公式サイト:https://foods-a.co.jp/

フーズアーキテクト株式会社では、全国5会場(現地参加またはオンライン参加)で、
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詳しくはフーズアーキテクト株式会社セミナーページからご確認ください。

 

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