衛生管理・食中毒対策

HACCPからステップアップ。食品事業者がISO22000、FSSC22000国際規格を取得するメリット

2021年12月03日

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食品の安全を管理する国際規格として、HACCPにマネジメントシステム要素を加えたISO22000や、ISO22000にISO/TS22002‐1および追加要求事項、食品防御や食品偽装防止への対応も要求されるFSSC22000がある。近年、食品メーカーが国内外問わず取引をする際、取得有無や取得予定を確認されるケースが増えている。しかし、具体的にHACCPと何が違うのか、どのような内容が要求されているのかをよく理解していないという方も多いだろう。

今回はフーズアーキテクト株式会社シニアコンサルタント 遠部裕司氏に、それぞれの規格の違いと取得した場合のメリットを解説いただいた。

HACCPとISO22000(FSSC22000)の違い

フーズアーキテクト
シニアコンサルタント 遠部裕司氏

国際規格の説明をする前に、基礎知識としてHACCP(ハサップ)から解説しましょう。HACCPは、1960年代にアメリカで始まった食品安全に関する考え方で、「衛生管理+製造工程管理」がベースになっています。

現在は、コーデックス(CODEX)委員会がHACCPに関するガイドラインを作成しており、原材料や製造工程における危害分析、重要管理点の設定などを含む「HACCP7原則12手順」が、安全な食品を製造するための考え方として世界各国に広まっています。

日本においても、2021年6月1日からHACCPに沿った衛生管理の制度化が完全施行となりました。なお、このHACCP制度化において、認証取得は要求されておらず、国際規格の取得あくまで事業者による任意の取組みとなります(フーズアーキテクト遠部氏 以下同)

次にISO22000について解説します。ISO22000は『食品安全マネジメントシステム−フードチェーンのあらゆる組織に対する要求事項』と呼ばれる国際規格で、HACCPにマネジメントシステム要素を組み合わせたものです。

ISO22000では、外部や内部課題の明確化やリスクおよび機会への取組みといったリスク管理、目標設定(例:クレーム削減、従業員教育の実施)、コミュニケーションや改善の仕組みづくりが要求されており、改善の対象には従業員の作業環境なども含まれます。

さらには、内部監査やマネジメントレビューも要求されており、「決められたルールが実施されているか?」「目標は達成できているか?取組みの効果が出ているか?」「実施できていない、効果が出ていない原因は何か?」「改善するためにはどのような対策が必要か?」といった取組みの効果確認および改善を継続的に実施していくことが要求されています。

『そんなことまでやらなきゃいけないのか、大変そうだな』と感じられる部分もあるかと思いますが、食品事業者を取り巻く環境が目まぐるしく変化していく昨今の状況においては、将来を見据えたリスク管理や改善の仕組みづくりは、決して無視できない、取り組むべき必須要素ともいえます。

また、ISO22000は、適用範囲として食品製造に直接または間接的に関与する組織が含まれており、食品製造業者のみならず、生産者、小売業者、ケータリングサービス業者、輸送・保管業者なども対象となっています。

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HACCP取得からFSSC22000へのステップアップ

FSSC22000は、ISO22000ISO/TS22002-1と呼ばれる詳細な衛生管理の要求事項、および製品開発のルール化、食品防御、食品偽装防止等の追加要求事項が付加された国際規格となります。FSSC22000GFSI(世界食品安全イニシアチブ)の承認スキームとなっていることもあり、国内外において認証取得が増加しています。

ISO22000、FSSC22000に取組むメリット

①「会社や工場全体の改善」につながる

前述の通り、ISO22000やFSSC22000では、リスク管理および改善の仕組みづくりが要求されます。これは「ルールが決まっていて、実施されている」ということだけで安心せずに、「そのルール自体に問題はないのか?もっと効果的なやり方はないのか?」を常に意識するという考え方につながります。

たとえば、食品工場には様々なルールがあります。工場入場、清掃洗浄、保守点検、従業員の健康管理など衛生管理に必要なルール、原材料の受入確認から各製造工程の管理を含む安全な製品を製造するためのルールなど、その項目や内容は多岐にわたります。

食品安全取組のスタートとしては、工場で順守すべきルールを定め、実施し、必ず記録を残していくことになりますが、時間が経過するにつれて、そのルールが陳腐化していく場合もあります。法規制の変更や消費者・取引先からの要望に伴って新たなルールが必要になったり、設備の技術革新によって、今まで人手でやっていた作業が自動化されたりするケースも考えられます。

また、環境変化に対応するための前提として、社外(消費者、取引先、法規制当局、他の組織)からの情報収集と、社内における情報共有といったコミュニケーションの仕組みも必要になります。変更されたルールに関する周知や教育が実施されなければ、作業ミスや事故の原因ともなり得ますので、従業員教育に関する仕組みも欠かせません。


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