法令対策

店舗数・メニューが多い飲食店もできるHACCP制度への対応~ダイナックがコツを解説

2019年11月12日

調理工程の重要管理項目の確認

1 原材料の受入れ サプライヤー・物流業者の選定、受入時の検品 など
2 原材料の保管 保管期限・保管温度の管理 など
3 調理 洗浄・殺菌、調理器具由来の異物混入対策、調理中の食品の一時保管、補充、・継ぎ足し など
4 加熱する食品 適切な加熱、加工肉(挽肉・結着・成形など)の適切な加熱、加熱後の加温・高温保管 など
5 加熱後に冷却する食品 適切な冷却、冷却後の保管、冷却後の再加熱 など
6 交差汚染・二次汚染の予防 未加熱原材料から加熱済み原材料、人や調理器具から食品や洗浄・殺菌済器具への汚染予防
7 盛付け・提供方法 バイキング形式で提供する場合、お客様自身が調理する場合、テイクアウト・デリバリーの注意点確認 盛付けミス・オーダーミスの予防、アレルゲン情報の開示、お客様のクレーム対応 など
8 危機の確認 温度計の確認、加熱機器の確認、冷却機器の確認 など

参考:一般社団法人日本フードサービス協会「多店舗展開する外食事業者のための衛生管理計画作成の手引

ステップ2.実施

衛生管理計画は作成が目的ではない。計画書を作成するのは本部だが、店舗が確実に運用できなければ、食の安全は保てない。忙しい現場ではマニュアルが守られず、事故につながってしまうのもありがちなケースだ。そうならないために、従業員の理解度が求められる。

「食中毒や食物アレルギーなど、命に関わる事故が発生した場合、『知らなかった』では済まされません。従業員全員が確かな知識と意識を持ち、『なぜ必要なのか』を理解した上で、誰でも同じようにできる手順で継続的に取り組める教育制度が必要です。

あまり難しい話をするよりも、適切な評価などでモチベーションが向上するような人材育成が求められるでしょう。作り上げた仕組みをみんなで守り、支えていくのがHACCPだと思っています」

教育制度では、1ヶ月単位など定期的な振り返りの実施が望ましい。見直すことで、たとえば繰り返し発生しているクレームや衛生上の問題などに気付くこともある。その場合、同一の原因が考えられ、対応を検討することができるだろう。そのためには、次に掲げる、記録・保管が重要となる。

ステップ3. 記録・保管

計画どおりに衛生管理を実施したら、記録した上で1年間の保管が必要だ。

「記録は衛生管理を支える最も重要な屋台骨です。正確な記録は、食の安全を守るコントロールシステムの信頼性と効果を高めることに直結します」

店舗ですでに衛生管理日報などの記録用紙がある場合は、追加する項目やムダに手順を複雑化していないか見直すと良い。実施状況や問題点が把握でき、かつ現場に負担がかからないよう、記録は〇・×や良・否でチェックするといったシンプルなものが望ましい。また、問題があった場合、誰がどう対応したのかも確実に記入できる欄を設けておきたい。

「お酒を扱う店舗では、忘年会シーズンに嘔吐されるお客様もいらっしゃいます。ほとんどの原因は飲みすぎですが、ノロウイルスなどの可能性もありますので、すべて記録しています。弊社ではノロウイルス感染が多発する冬季にあわせ、毎年10月になると感染症対策本部を立ち上げます。手洗いと体調管理を全店舗に周知徹底し、体調不良者の情報を本部で一元管理するのです」

問題が発生してから対応ではなく、発生させないための衛生管理

HACCPの制度化とは、何か大掛かりな設備を整えたり、コンサルタントや認証が求められたりするものではない。今取り組んでいる衛生管理を洗い出して見える化し、有効性・実施状況を検証して記録・改善し続ける仕組みに他ならない。

「食の安全は誰かひとりが頑張れば保てるものではありません。新人、ベテラン、または社員、アルバイト関係なく、経営トップを含めた全員の理解と協力が不可欠です。HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を実施すれば、安全を証明でき、従業員は安心して仕事ができる環境になるでしょう。お客様には根拠のある安全をお約束できるのです。

プロアクティブ(先読み対応)とリアクティブ(事後対応)という言葉があります。これまで衛生管理は、食中毒などのトラブルが発生したらどう対応するかという考え方だったかもしれません。そうではなく一歩前に出て、問題を発生させない積極的な管理をしていけばHACCPはうまくいくのではないかと思っています」


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