外食企業のアレルギー対策

飲食店の食物アレルギー対応(基礎知識編)~発症原因・症状の種類、企業の表示義務など

2018年02月05日

原因となる食べ物

食物アレルギーの原因食物

平成27年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する
調査研究事業報告書(平成28年3月)(消費者庁)

表にあるように、発症原因として一番多いのは鶏卵、次に牛乳、小麦と続く。しかし、免疫の反応は個人によって違いがあるため、食物アレルギーの原因となる食べ物は、たんぱく質を含む食物すべてといえる。

また、症状を引き起こす食物も、人によって一つだけであったり複数あったり、摂取量もごくわずかに入った料理をなめただけで発症する人もいれば、ある程度の量まで食べなければ発症しない人など様々だ。

食物アレルギーは同一の人であっても体調によって反応が変わったり、年齢によって原因食物が変わったりする。乳幼児期では鶏卵、乳、小麦が多く、18歳以上では小麦、甲殻類(エビ・カニ)、果物、魚類などが多い傾向にある。

治療法

現在のところ、食物アレルギーに有効な治療方法はなく、患者は原因となるアレルギー物質を食べないことで発症を防いでいる。

表示義務

加工食品の場合

加工食品の表示

容器包装された加工食品を販売する場合、食品表示法によってアレルギーを発症しやすい原材料の表示が義務付けられている。

特に重篤度・症例数の多い7 品目を「特定原材料」と呼び、食品に使用されていれば必ず表示しなければならない。このほか20 品目を「特定原材料に準ずるもの」といって、表示が推奨されている。食物アレルギーの患者はこの表示を確認して、自身が食べられるか判断している。

表示用語品目
義務 特定原材料(7品目) 卵・乳・小麦・落花生・えび・そば・かに
推奨 特定原材料に準ずるもの(20品目) いくら・キウイフルーツ・くるみ・大豆・バナナ・やまいも・カシューナッツ・もも・ごま・さば・さけ・いか・鶏肉・りんご・まつたけ・あわび・オレンジ・牛肉・ゼラチン・豚肉

 

外食の場合

外食で提供される料理の場合、アレルギー表示は義務付けられていない。これは以下の理由がある。

●注文に応じて多様なメニューを同じ厨房で調理することで、アレルゲンを分けるなど適切な調理工程の管理が困難である
●対面営業のためお客が店員へメニュー内容の確認ができ、店側で使用する原材料や調理方法の調整が可能である

以上、食物アレルギーの基本を紹介した。後編では、飲食店がどのように食物アレルギーへ対応するかを具体的に解説していく。

【監修】公益財団法人 食の安全・安心財団 常務理事・事務局長 中村啓一
公式HP:http://anan-zaidan.or.jp/
1949年生まれ。1968年農林省(現農林水産省)入省。主に、食品産業・食品流通関係行政を担当。現在は、公益財団法人食の安全・安心財団で、食に関わるリスクコミュニケーションの研究と実施を中心に活動。共著『食品偽装・起こさないためのケーススタディ』(ぎょうせい)、著書『食品偽装との闘い』(文芸社)など。

出典:「外食・中食におけるアレルゲン情報の提供に向けた手引き」(外食等におけるアレルゲン情報推進検討会)
出典:「第1回アレルギー疾患対策推進協議会 資料2 アレルギー疾患対策について」(厚生労働省)
出典:「リウマチ・アレルギー相談員養成研修会テキスト 第4章 食物アレルギー」(厚生労働省)
出典:「平成27年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」(消費者庁)
出典:「外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会中間報告(平成27年4月1日一部改定)」(消費者庁)
出典:「アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック(事業者向け)平成26年3月改定」(消費者庁)
出典:「消食表第139号 食品表示法等(法令及び一元化情報) 食品表示基準に係る通知・Q&Aについて 別添アレルゲン関係」(消費者庁)
記事中の文章・表などは上記の各資料をもとにインフォマート作成


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