食の研究所

おしりの拭き方から考える「冬の食中毒」対策~食品従事者も消費者も“そのトイレ”にご注意を

小暮 実(食品衛生アドバイザー)  2017年12月25日

4m以上も使う職員にどのように使っているのか訊ねたところ、「何度も取るのが面倒なので、長いペーパーをたたんで、きれいな部分を探して何度か拭き取る」とのこと・・・。身近なところにも変わった拭き方の者がいることに唖然とするとともに、その姿を想像して失笑した経験もある。

「手洗いに始まり、手洗いに終わる」

長野県の北信保健福祉事務所が「トイレを起点とするノロウイルス汚染拡大の検証」を報告している。疑似下痢便を使用して便の飛散実験を行っており、興味深い検証となっているので是非ご覧いただきたい。下痢をすると、お尻の臀部にも飛び散るため、拭き取ると指先だけではなく手の土手部や袖口にも付着すると報告している。

ノロウイルス予防対策

・ノロウイルスの性質を良く知る
・発生動向を読む
・生カキの喫食を避ける
・二枚貝はしっかり加熱調理
・手洗いの励行
・おう吐・下痢の人は調理しない
・子供のおう吐時は二次感染に注意
・吐物処理を適切に行う
・自宅で排便する習慣をつける
・公衆トイレの利用は避ける
・町の吐物には近づかない
・トイレの清掃・消毒を適切に
・調理器具は85℃1分間加熱
・室内は換気して新鮮空気を

ノロウイルス予防対策。

このような汚染を防ぐため、食品衛生監視員の中にはトイレ用の手袋の使用を勧める者もいる。手袋をして用を足し、トイレ内に手袋を捨てるという方法である。実際に、トイレ用手袋の着用をマニュアル化している寿司チェーンも出現しているが、従業員にはまだ当惑感があるようである。

先進の食品工場では、手洗いと消毒をしないと退出できないトイレも取り入れられている。将来は、トイレの使用についても、入退室の回数や手洗の有無までカード管理される工場も登場しそうである。

食品従事者としては、「君子危うきに近寄らず」のとおり、生カキの喫食を避け、公衆トイレは使用しないなどの習慣を身につけたい。衛生の基本は「手洗いに始まり、手洗いに終わる」と言われている。厚生労働省は、石鹸による二回の手洗を推奨している。用便時には腕まくりして用を足し、用便後には手首まで二回の手洗を励行しましょう!


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執筆者プロフィール

小暮 実(食品衛生アドバイザー) 

1955(昭和30)年生まれ。東京農工大学農学部農芸化学科卒、雪印乳業(株)を経て、中央区保健所にて39年間食品衛生監視員として勤務。銀座、日本橋、築地などの飲食店や食品輸入業者の監視指導にあたり、多数の食中毒事件や違反食品の調査措置経験あり。現在、食品衛生アドバイザーとして活動中。

<記事提供:食の研究所
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