企業インタビュー
2016年12月22日
近年、外食産業で企業の統合や再編が進み、企業としての背景や理念の違う会社同士が手を組むのをよく目にする。事業の統合に当たっては、組織力強化については言うまでもないが、共通の食の安全・安心に対する観念が重要だ。
ヴィア・ホールディングスは、業態数24、店舗数559店(2016年9月末)主力4業態の焼き鳥「備長扇屋」、豚もつ串焼き「豚とん」、居酒屋「いちげん」ピッツァ&パスタ「パステル」などが、加入する持株会社だ。現在もM&Aを繰り返し、さらなる成長を続けている。
グループ傘下の各ブランドが、それぞれ独立した会社であるため、統合する度にこれまでその会社が行ってきた衛生管理や、食中毒対策などを取りまとめ、新しい食の安全・安心対策として1本化していくことが課題だったという。この課題に対して、同社はどのように対応したのだろうか。
今回は、全ブランドの展開に携わり、各事業体への安全・安心対策整備に取り組む、常務執行役員 長島学様と、MD(マーチャンダイジング)企画の桐敷勝英様にお話を伺った。
MD企画 桐敷勝英さん
「2005年に会社をホールディングス化した時は、まだブランドや業態数も多くありませんでした。そのため仕入れもブランドごと、食の安全管理も全てブランドごとでバラバラに管理されていました。
しかし2013年、会社の中期計画によって全国への展開が強化され、これまでの仕入れ管理や安全管理の方法を変更し、グループ内で統一した管理が必要になりました。そこでグループ全社の本部に仕入れ部門を設置し、全社の業務統括や仕入れ管理などバックヤードを強化したのです」(桐敷氏)
現在、グループ全体の購買は、本部の購買委員会が一手に引き受けている。またこの委員会が発足したことで、トレーサビリティのしっかりした取引先企業を選択できるようになったという。
「仕入先の選択も重要ですが、グループ全体で購入する食材の安全情報の管理には、商品規格書による、原材料、成分、製造工程の確認が欠かせません」(長島氏)
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