法令対策

知っておきたい食品リコール(後編)~事故事例からみた回収コストと周知方法

2016年12月01日

自主回収の完遂に欠かせない対応マニュアル

こうした事例を見ると、やはり企業にとって食品事故の経済的な損失は大きいことが分かる。回収の決定が遅くなればなるほど、費用が高くなるのもひとつの傾向だ。

「事故後の発表が遅れたり、説明が曖昧だったり、対応が不誠実だったりするとマスコミに叩かれやすいのも、食品事故の典型パターンです。そうすると、不名誉な形で会社名がメディアに取り上げられる期間が長引き、消費者からの信頼は失墜し、経済損失もさらに大きくなってしまいます」(田中氏・以下同)

食品事故後の損失を最小限に止めるために欠かせないのが、食品事故発生時の対応マニュアルなのだという。

「事故発生時の対応手順を明確にし、誰が見てもわかる形にマニュアル化しておかなければなりません。そのうえで、危機管理意識の高い企業は災害を想定した避難訓練のような形で定期的にシミュレーションを行い、不備が見つかればその都度、マニュアルを更新するといったことを繰り返しています」

中小・零細メーカーであっても、非常に優れた事故対応マニュアルを持っている企業も少なくない。こうした対応マニュアルを事前に作成しておくことは、工場などの衛生管理レベルを向上させ、食品事故を未然に防ぐことにもつながる。

「食品事故対応でもっとも重要なのは、原因の究明です。例えば、異物が混入したのなら、工場内のどの製造工程のどのラインで混入したかを特定しなければなりません。そこで大切なのが、農場から最終製品までを追跡できる体制を整えるということ。原料、包材、機械設備、従業員など、食品事故の原因となりうるポイントを特定して、日頃から重点的にチェックを行い、記録をつける。そうすれば食品事故のリスクを低減することができます」

万全の安全管理体制を整えているつもりでも、異物混入や不正表示など不測の事態は起こる。万が一、事故を起こしてしまった場合のために、事前に対応方法を検討し、迅速な消費者の安全確保と、会社の信用回復に努めてもらいたい。

取材協力:公益社団法人日本食品衛生協会


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