データでみる食品事故

知っておきたい食品リコール(前編)~増える食品事故と自主回収の判断基準

2016年11月21日

商品回収は『法令に基づく回収』と、『事業者の自主回収』に大別され、さらに、自主回収は自治体への『報告義務があるもの』と『報告義務がないもの』に分かれる。

<法令に基づいた回収>

食品の安全について規定する食品衛生法やJAS法、食品表示に関するルールを定めた、食品表示法等の法令に基づき行政機関から回収が命じられる。

「例えば食品に異物などの有害物質が混入した場合、食品衛生法に違反する恐れがあり、保健所などから該当食品の廃棄や、危害を除去するために必要な処置をとることを行政機関から命じられることがあります(命令に従わない場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金)」

<自主的な回収>

法令違反の恐れがなくても、消費者の健康に悪影響を及ぼす恐れがある場合、もしくは、自社のコンプライアンス(法令順守)や、企業のブランドイメージといった社会性の観点から、事業者が自ら判断し、自主的に消費者からその商品を回収したり、返金したりすることを自主回収と呼ぶ

「自主回収はその名の通り、事故を引き起こした事業者の自主的な判断で決定するものです。自主回収すべき案件なのに実施の判断が遅れたり、食品事故の発表の仕方が曖昧だったりすると、事業者は社会的な信用を失います。一方で、迅速に自主回収を決断し、販売再開後に売上げが向上したという成功事例もあります」

法令に基づかない自主的な回収であっても、都道府県等によっては、自治体による『自主回収報告制度』が条例で定められている。自主回収を行う事業者は、制度に沿って必要な情報を自治体に報告する義務があるのだ。

「東京都の制度で報告義務の対象となるのは、法令に違反もしくはその恐れがある食品を自主回収する場合や、健康への悪影響を未然に防止する観点から自主回収を行なう場合です。例えば使用基準を超える食品添加物の使用が発覚した、食品表示基準で定められた特定原材料(卵、小麦、乳、えび、かに、そば、落花生)の原材料表示が欠落した、などは法令に違反に当たり、商品に意図しない異物が混入した、などは法令に違反する恐れに当たります」

報告した情報は、速やかに東京都のホームページに無料で掲載され、消費者にも周知される。また他の都道府県でも取るべき対応は概ね同じだ。ただし報告する内容などに若干の違いがあるため、実際に報告する際には、事業所がある自治体に確認する必要がある。


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