食の研究所

「おいしい=快感」となる脳の仕組みは?~私たちの命を守る「おいしさ」のセンサー

佐藤 成美(サイエンスライター)  2016年08月19日

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梅雨も明けて、いよいよ夏本番。うだるような暑さの中では、冷たい食べ物やスパイスのきいた料理をおいしく感じる。

ところで、この「おいしい」という感覚は、体にとってどんな意味があるのだろうか。

「食べてよい」すなわち「おいしい」

おいしいと感じるともっと食べたくなる。たとえば、ダイエット中なのについ一口食べたらおいしくて止まらなくなり、後悔したという人もいることだろう。

おいしさは舌や口の中ではなく、脳で感じられる。私たちは、嗅覚、視覚、味覚、触覚、聴覚の五感を使って、食べ物のあらゆる情報を受け取っている。脳は食べ物の情報を受け取ると、それを食べてよいか悪いか判断し、食べてよいとなれば、おいしいと感じ、食欲をわかせて必要な栄養素を摂取しようとしているのだ。一口食べるともっと食べたくなるのはそのためだ。

おいしさを感じさせる要因には、味やにおいばかりでなく、食べ物の色や形、食べたときの食感や音など、さまざまなものが含まれる。さらに、このようなや食べ物の直接的な要因だけでなく、食べる人の体調や食べるときの環境、食文化などの間接的な要因にもおいしさは左右されている。そのために、「おいしい」とはよく使う言葉だが、実際はこの感覚はかなり複雑だ。

おいしさは、本能的に感じるものと経験的に感じるものに大別することができる。

執筆者プロフィール

佐藤 成美(サイエンスライター) 

佐藤 成美(さとうなるみ) サイエンスライター、明治学院大学非常勤講師(生物学)、農学博士。食品会社の研究員、大学の研究員、教員などを経て現在に至る。研究所の広報誌やサイトなどにも原稿を執筆している。著書に『「おいしさ」の科学』(講談社ブルーバックス)『お酒の科学』(日刊工業新聞社)など多数。

<記事提供:食の研究所
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