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改正景品表示法の「課徴金制度」が4月に開始(後編)-専門家に聞いた、外食企業が取るべき対策

白田 茜(フリーランス記者)  2016年02月24日

4月から開始する課徴金制度を前に、前編では景品表示法そのものや、不当表示にならないためのポイントについて復習した。後編では、専門家へのインタビューを交えながら、課徴金制度と外食企業の対応について解説したい。

これだけは知っておきたい、景品表示法違反を起こしてしまったら

そもそも課徴金制度とは、不当な表示の防止と、被害を受けた消費者の救済のために創設されたものである。対象となるのは、「優良誤認」や「有利誤認」とされた商品またはサービスだ。

まずは、課徴金の措置命令が行われるまでの流れを追ってみたい。

<景品表示法違反調査の手順>
景品表示法違反調査の手順

(注1)公正取引委員会も、調査のための権限を消費者庁長官から委任されています。
(注2)措置命令が行われる前に、事業者に対し、一定期間、書面による弁明・証拠の提出の機会が与えられます。
資料:消費者庁「景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?」より抜粋して筆者作成

不当な表示が行われている疑いがある場合、消費者庁から事情聴取などの『調査』が行われる。その際、事業者は証拠品の提出など、『弁明の機会』が与えられている。

調査の結果、違反行為が認められた場合は、事業者に対して、不当表示の速やかな中止と誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことなどが命ぜられる。これを『措置命令』という。措置命令が下された場合は、事業者名は公表されることになる。

一方、措置命令まで至らない場合であっても、“違反のおそれのある行為”がみられた場合は、「警告」「注意」などの『指導』が行われ、違反行為の取りやめが求められる。指導の場合でも、事業者公表名を公表される可能性が高い点に注意が必要だ。措置命令になるか指導になるかは、違反行為の規模や影響を与えた範囲、改善の見込みなどから複合的に判断されるため、明確な基準はないという。

そして、措置命令を受けた事業者は、課徴金を国庫に納める必要がある。この行政処分を『課徴金納付命令』と呼ぶ。

課徴金制度の概要は以下のとおり。

<課徴金制度の概要>

・景品表示法で措置命令を受けた対象商品・サービスの売上額の一律3%を課徴金額とする
・対象期間は遡って3年間を上限とする。ただし違反行為をやめた日から5年を経過している時は対象外
・対象商品・サービスの売上額が5千万円以上(課徴金の額が150万円未満は除外)
・自主申告をした事業者は、2分の1に減額
・消費者被害救済の観点から減額制度を導入。規定によりきちんと被害者に自主返金を行った場合は、その金額を課徴金額から減額
・違反行為であることを知らないことにつき相当の注意を怠ったものでないと認められるときは、除外される

資料:2014年11月フーズチャネル「12月に「改正景品表示法」が施行-課徴金制度導入を含めて1年を振り返る」より

執筆者プロフィール

白田 茜(フリーランス記者) 

1978年佐賀県生まれ。 佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。
食品コンサルタント会社を経て、専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をした後、現在は小売や食品関連の記事を書いている。
関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション、マーケティング。

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