メニュー誤表示を考える

改正景品表示法の「課徴金制度」が4月に開始(前編)-景表法の総復習

白田 茜(フリーランス記者)  2016年02月15日

ホテルやレストランでのメニュー誤表示問題を受け、2014年12月に施行された改正景品表示法。今年4月からは不正表示に対する「課徴金制度」もいよいよ始まり、外食企業に対する「正しい表示」への取り組みが以前にも増して求められている。このタイミングであらためて景品表示法についておさらいし、後編ではさらに外食事業者が取るべき対策について考えてみたい。

消費者の利益保護のための「景品表示法」

まず理解しておきたいのが、景品表示法は、一般消費者に商品・サービスの品質や価格について、実際のもの等より著しく優良、または有利であると誤認される『不当表示』を禁止しているということだ。景品表示法で禁止されている不当な表示は、大きく分けて3つある。

<不当表示の種類>

優良誤認 商品、サービスの品質、規格、その他の内容について、著しく実在より優良であるように示す不当表示
有利誤認 サービスの価格、その他の取引条件について、実際のものよりも著しく取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される不当表示
その他の不当表示 ①無果汁の清涼飲料水等についての不当な表示
②商品の原産国に関する不当な表示
③消費者信用の融資費用に関する不当な表示
④不動産のおとり広告に関する不当な表示
⑤有料老人ホームに関する不当な表示


1つが「優良誤認」。商品・サービスの品質や規格、その他内容について、実際よりも著しく優良であると一般消費者に誤認される表示のことだ。例えば、『国産ブランド牛』の表示をしていたのに、実際は『外国産』のものであった場合がこれにあたる。

2つに、「有利誤認」。これは、商品・サービスの品質や規格などが競争事業者のものよりも得である、と思わせる表示のことだ。例えば、『期間限定半額セール中』と表示をしていたにも関わらず、実際には常に設定されている販売価格であるような場合が「有利誤認」にあたる。

3つに、その他の誤認のおそれのある表示だ。果汁を使用していない、あるいは5%未満しか使用されていない清涼飲料水に、『無果汁』『使用割合』が明記されていないケースなどが、これにあたる。

大きなインパクトを与えた外食のメニュー表示問題

2013年の秋、全国のホテル、百貨店やレストランで表示と異なる食材を使用されていることが明らかになり、メニュー誤表示問題として世間を騒がせた。消費者庁が同年12月に発表した資料によると、食品表示の偽装・誤表示が見られた団体数・事業者数は25団体、364事業者だったという(なお、同一の団体・事業者が複数の省庁に報告しているケースもあり、数値の合計は必ずしも実際の事業者数と一致しないことに留意する必要がある)。

景品表示法は、JAS法のように表示事項を定義していないため、「何が不当表示にあたるのか」は、あくまで個別の事案ごと、具体的な表示ごとに判断される。グレーゾーンも多く、事業者にとっては分かりにくいものだった。

メニュー表示問題が起きてから、消費者庁や都道府県の窓口には様々な質問が寄せられた。そこで消費者庁は、2014年3月に事業者にとってわかりやすいガイドラインをつくり、事業者の自主的な取り組みを促している。

執筆者プロフィール

白田 茜(フリーランス記者) 

1978年佐賀県生まれ。 佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。
食品コンサルタント会社を経て、専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をした後、現在は小売や食品関連の記事を書いている。
関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション、マーケティング。

メニュー誤表示を考える バックナンバー

おすすめ記事

関連タグ

メルマガ登録はこちら
飲食店のクリスマス装飾が何でも揃う
フーズチャネルコンテンツガイド