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機能性表示食品を検証!問われる国の関与のあり方 ―科学的根拠にばらつき、疑義は解消されるのか?

白田 茜(フリーランス記者)  2015年12月17日

2007年から同品は発売されているが、「内臓脂肪を減らすのを助け、高めのBMIの改善に役立つ」と機能性を表示することでリニューアルした。

アサヒフードアンドヘルスケアのサプリメント「ディアナチュラゴールド」も売上を順調に伸ばしているという。「ディアナチュラ」シリーズでは、「ヒザ関節の動きの悩みを緩和」「中性脂肪を減らす」「眼の調子を整える」などと複数の機能性を表示する食品を発売した。「ディアナチュラ」ブランド全体の今年1月~10月売上高は、前年同期比30%増になっているという。

また、ファンケルの目のサプリメント「えんきん」の8月の売上高は計画比で2.5倍、前年同月比では5倍だった。年間売上高30億円を見込んでいるという。

認知度は高まるも本格的な販売はこれから

電通が20~60代の全国の男女1000人を対象に実施した「機能性表示食品に関する消費者意識調査2015」によると、消費者における機能性表示食品制度や食品の認知は79.1%と8割近くに上ったという。

「現時点でのユーザーは、トクホユーザーとの重なりが大きい」ものの、「トクホに比べると、国の承認ではないという点での安全性評価、信頼感が低い」という。

筆者が11月中旬に店頭で機能性表示食品の販売状況を見たところ、スーパーや百貨店での取扱いはまだ少ないように感じた。都内のスーパーで店員に尋ねたところ、「うちの店舗にはまだ置いてありません」との回答で、商品名と陳列場所を把握していないような状況だった。

ドラッグストアでは、「機能性表示食品」のPOPを設置してある店舗もあり、他の小売業に比べると消費者への訴求を重視している印象だ。都内のドラッグストアでは、「店頭でいま扱っているのはサプリメントを中心に1015品程度。今後、取扱いは増える予定」とのコメントがあった。

筆者が店頭ウォッチングしたところ、機能性表示食品は、他制度の「栄養機能食品」や「トクホ(特定保健用食品)」と混在して置かれており、パッケージをよく見なければ「機能性表示食品」であることが分かりにくい。消費者への認知度は高まりつつあるが、店頭での設置状況をみると、まだまだこれからという印象を受けた。

問われる国の関与の在り方

機能性表示食品は、届出制になっているため、科学的根拠の乏しいものを排除できない可能性があることについては、6月の記事「機能性表示食品に早くも安全性の問題が浮上」でも述べた。

機能性表示食品制度では、事業者が安全性や機能性に関する製品情報を販売前に届出て、販売60日前に公開し、広く国民に周知することで製品の品質を担保するとしている。つまり、発売前に問題点を見つけて指摘することができるのが、機能性表示食品制度の「要」なのだ。そこで、問題が見つかったときに消費者庁がどのように対処するかが課題となってくる。

このところ、機能性表示食品の運用を厳格化する意見が相次いでいる。10月22日、河野太郎消費者行政担当相は、「トクホ」の審査で安全性が確認されなかった食品が「機能性表示食品」として提出された事例について、「分かりにくさは整理する必要がある」と言及した。
あくまで個人的な意見としながらも、「安全という観点から、トクホがだめなら、機能性もだめというルールがあってしかるべきではないか」と、制度運用の見直しを示唆したという。

科学的根拠のレベルにばらつきも

食品の機能性評価は「製品で行う臨床試験」か「製品もしくは成分で行う研究レビュー(システマティックレビュー)」のいずれかになる。10月31日までに122商品が受理されているが、このうち「研究レビュー」によるものが102件と、圧倒的に多い。

執筆者プロフィール

白田 茜(フリーランス記者) 

白田 茜(しろた あかね) 1978年佐賀県生まれ。 佐賀県庁で食品のブランド化に関わる。その後、大学院で農業政策や食品安全に関するリスクコミュニケーションを学ぶ。
食品コンサルタント会社を経て、現在は社会的関心が高い科学ニュースについて専門家のコメントを収集しジャーナリストに提供する活動をしている。関心のあるテーマは、農業、食品流通、食品安全、リスクコミュニケーション。

<記事提供:食の研究所
JBpress、現代ビジネス、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインの4つのビジネスサイトが共同運営する「食」の専門ページ。栄養士が勧める身体にいい食べ方、誰でも知っている定番料理の意外な起源、身近な食品の豆知識、食の安全に関する最新情報など硬軟幅広い情報を提供。
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