法令対策
森田 満樹(消費生活コンサルタント) 2015年09月18日
今年度から『食品表示法』が施行されたことを受け、食品表示基準について解説する食品業界向けセミナー(主催:株式会社インフォマート)が、東京・大阪で開催されました。セミナーでは、消費生活コンサルタントの森田満樹氏が、食品表示基準の読み解き方と変更点のポイントについてわかりやすく解説されています。
本コラムでは、セミナーでの森田氏のお話をもとに、食品表示基準について、特に旧法からの変更点を中心に2回に分けてご紹介したいと思います。
前編は食品表示基準の概要や、加工食品と生鮮食品の区分統一、製造所固有記号のルール変更について紹介しました。後編では表示レイアウトの改善、アレルギー表示ルールの変更や、栄養成分表示の義務化について取り上げます。
森田満樹
消費生活コンサルタント
③表示レイアウトの改善
▼原材料と添加物の明確化
一括表示の原材料名の欄は、原材料の量の多い順で表示し、続いて食品添加物の量の多い順で表示するという原則に変更ありません。しかし、新基準では原材料と添加物の間に明確に区分をつけて表示することが義務づけられました。
明確な区分には、主に4つのパターンがあります。
(1)原材料と添加物を記号(/スラッシュ)で区分して表示する
(2)原材料と添加物を改行して表示する
(3)原材料と添加物の間にラインを引いて区別する
(4)原材料名の下に添加物の事項名を設けて表示する
▼安全性に関する情報の省略不可について
これまで表示面積がおおむね30平方cm以下の場合、安全性に関する情報(名称、アレルゲン、消費期限又は賞味期限、保存方法、表示責任者、L-フェニルアラニン化合物を含む旨)は表示が不要でしたが、新基準では省略不可となりました。これにより小面積の食品にもきちんと表示が必要になります。
④アレルギー表示ルールの改善
加工食品のアレルギー表示については、新基準でも品目数は変わりません。表示が義務化されている特定原材料7品目と、表示が推奨されている特定原材料に準じるもの20品目の合計27品目です。
大きな変更点としては、一括表示と個別表示のルール変更と、特定加工食品の廃止です。
九州大学農学部卒業後、食品会社研究所、民間調査会社等を経て、現在は消費生活コンサルタントとして活躍。 食品表示に精通し、先に行われた食品表示一元化検討会では委員を務めた。
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