気になる食品表示

食品表示基準でここまで変わる(前編)~食品区分の統一、製造所固有記号のルール改善など

森田 満樹(消費生活コンサルタント)  2015年08月27日

今年度から『食品表示法』が施行されたことを受け、食品表示基準について解説する食品業界向けセミナー(主催:株式会社インフォマート)が、東京・大阪で開催されました。セミナーでは、消費生活コンサルタントの森田満樹氏が、食品表示基準の読み解き方と変更点のポイントについてわかりやすく解説されています。

本コラムでは、セミナーでの森田氏のお話をもとに、食品表示基準について、特に旧法からの変更点を中心に2回に分けてご紹介したいと思います。

前編では食品表示基準の概要や、加工食品と生鮮食品の区分統一、製造所固有記号のルール変更について。後編では表示レイアウトの改善、アレルギー表示ルールの変更や、栄養成分表示の義務化について取り上げます。

 

森田満樹
消費生活コンサルタント

食品表示基準の構成と移行措置期間について

▼食品表示基準の概要

2015年4月1日、食品表示法が施行されました。食品表示法は、食品表示を規定する3つの法律、『JAS法』『食品衛生法』『健康増進法』を一元化したものです。

具体的な表示のルールは、下位法令である『食品表示基準(平成27年3月20日公布)』で規定されています。さらに3月末には、食品表示基準を補足・解説するものとして「食品表示基準について(平成27年3月30日消食表第139号)」という施行通知(全405ページ)、さらに「食品表示基準Q&Aについて(平成27年3月30日消食表第140号)」(全553ページ)が公表されました。Q&Aは食品表示基準の構成と同じ順番でまとめられ、別添として「食品の栄養成分データベースの構築ガイドライン」、「アレルゲンを含む食品に関する表示」等が収載されています。

食品事業者はこれら膨大な量の情報をキチンと理解して、表示を作成する必要があるのです。

以上の食品表示基準、施行通知、Q&Aは消費者庁のウェブサイトに掲載されており、誤植や内容の訂正など、随時改版が行われ新旧対照表も公表されるので、最新のものを確認して頂きたいと思います。

▼食品表示基準の構成

食品表示基準では、食品表示のルールを分かりやすくするため、食品を「加工食品」「生鮮食品」「添加物」の3つの大分類に分けています。また食品の提供者を「食品関連事業者(一般消費者向け)」「食品関連事業者(業務用食品)」と「食品関連事業者以外の販売者(バザーなどの販売者)」に分け、3区分×3区分の計9区分で整理しています。

区分によって義務付けられる表示事項が異なるため、どの食品区分に分類しているのか、きちんと確認をすることが重要となります。特に生鮮食品と加工食品は区分がわかりにくいため、Q&Aで具体例を確認するとよいでしょう。

なお、新表示基準の表示義務範囲(食品、事業者等)については、原則的にこれまでと変更ありません。つまり、外食や仕出し、店頭の量り売りなど対面販売はこれまで通りで表示の義務はなく、スーパーのバックヤードで製造する食品もこれまで通り原材料などの一部の表示項目の義務はありません。

▼猶予期間について

新しい制度自体は2015年4月1日よりスタートしていますが、加工食品と添加物は5年、生鮮食品は1年6ヶ月の移行措置期間が設けられています。加工食品や添加物は2020年3月31日までに製造されたものまでは旧表示を付すことが可能です。

執筆者プロフィール

森田 満樹(消費生活コンサルタント) 

九州大学農学部卒業後、食品会社研究所、民間調査会社等を経て、現在は消費生活コンサルタントとして活躍。 食品表示に精通し、先に行われた食品表示一元化検討会では委員を務めた。

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