メニュー誤表示を考える

12月に「改正景品表示法」が施行-課徴金制度導入を含めて1年を振り返る

森田 満樹(消費生活コンサルタント)  2014年11月19日

2013年秋に起きたメニュー表示問題から1年が経過した。1年前のちょうど今ごろ、メニューのチェックなど対応に追われていた事業者も多かったのではないだろうか。その後、多くの事業者がメニュー表示の管理を徹底させ、社内のコンプライアンス強化に地道に取り組んでこられたと思う。

しかし、一部事業者による景品表示法の違反は後を絶たない。消費者庁は、先月10月23日には株式会社豆千待月(まめせんたいげつ)に対して措置命令を出した。「天然のトラフグ」と表示し実際は養殖のトラフグまたはゴマフグを使用したり、「和牛」と表示し実際には和牛ではない肉を使っていたりと、その内容は典型的な違反事例ともいえる。

昨年の問題を受けて、消費者庁や都道府県では、外食事業者に向けて景品表示法の勉強会を開催、多くの事業者が参加して関連法律を学んだはずである。それでも、この1年間で都道府県の指導事例が相次いで報告されており、そして今回の措置命令である。

さらに、この1年で景品表示法や食品表示の法律は大きく変わっている。今国会で課徴金制度導入が審議され、11月19日、改正景品表示法として可決されたところである。メニュー表示を受けて、どのような法改正が行なわれるのか、まとめてみた。

改正景品表示法が12月1日から施行。主な柱は3つ

メニュー表示問題を受けて2014年6月、改正景品表示法が国会で成立し、来月12月1日から施行される。主な柱は3つで「1.事業者のコンプライアンス体制の確立」「2.監視指導体制の強化」「3.課徴金制度の検討」である。

1.事業者のコンプライアンスの確立

具体的なガイドライン案を8月に公表しており、そこには「事業者が構ずべき7つの必要な措置」が記されている。
1)景品表示法の周知・啓発
2)法令遵守の方針等の明確化
3)表示等に関する情報の確認
4)表示等に関する情報の共有
5)表示等を管理するための担当者等(表示等管理担当者)を決めること
6)表示等の根拠となる情報を『事後的に確認するために必要な措置を取ること
7)不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応

これをつなげて読むと「景品表示法をちゃんと学び、法令順守の手順を明確にして、表示の根拠を確認し、部門で仕組みを共有し、『表示等管理担当者』を決め、根拠書類を整えて、間違えた場合はちゃんと対応しましょう」ということになる。ガイドラインという位置づけではあるが、食材の偽装を防ぐ考え方が示されているものである。

2.監視指導体制の強化

現在は景品表示法に違反した場合に「措置命令」を出せるのは消費者庁だけだが、改正景品表法によってこの権限の一部を都道府県知事に付与することになる。これによって、都道府県が措置命令を出せるようになる。都道府県によって体制は異なるが、積極的に措置命令を出す意思を示しているところもあり、地方自治体における監視執行体制が強化されることになる。

3.課徴金制度の導入検討

メニュー表示問題を受けて消費者委員会が今年に入って本格的な検討を進め、2014年6月に制度の骨子をまとめて答申を出した。その後、内容の修正を経て2014年10月24日に自民党で法案が閣議決定されたもので、今国会でまさに法案が成立したところである。成立後は、1年6か月以内に施行となっており、2016年春からとなる。

課徴金制度が導入されると…

この課徴金制度について、あまり聞いたことがないかもしれないが、現在でもカルテル等の独占禁止法等で違反行為が行われている場合に適用されている制度である。違反の場合に、一定の課徴金を国庫に納めることを事業者等に命令するもので「やり逃げは許さない」として抑止効果が期待できる。

執筆者プロフィール

森田 満樹(消費生活コンサルタント) 

九州大学農学部卒業後、食品会社研究所、民間調査会社等を経て、現在は消費生活コンサルタントとして活躍。 食品表示に精通し、先に行われた食品表示一元化検討会では委員を務めた。

メニュー誤表示を考える バックナンバー

おすすめ記事

関連タグ

メルマガ登録はこちら
飲食店のクリスマス装飾が何でも揃う
フーズチャネルコンテンツガイド